きずなASSIST

KIZUNA Assist

タイトル背景

南インド・レポート 2010年3月20日〜3月30日

高井健次

厳しい環境で自分には何ができるのだろうか。

今回この南インドボランティア研修に参加して、率直に「心の大切さ」を学ぶことができた。

 

 

研修に参加するにあたって3回の事前研修にも参加したが、その際に耳に入ってくる言葉は、「差別」「貧困」「不衛生」などとあまり喜ばしくない、さらにその言葉の持つ重みが全く違うものだった。

 

 

生で飲むことのできない井戸水、先祖代々差別を受け続けた人々、それゆえに低所得でやむなく生活水準の低い暮らし。

その差別の内容は、生活の範囲を限定され、行動を制限され、職業を制限され、勤勉の自由を制限される。

 

 

さらに差別を受けている人に触れるだけで汚れ、触れた富裕層は「お清め」と呼ばれる儀式を強いられるもので、日本でなら自殺に追い込むほどのいじめではないのだろうか? という印象すら覚えるものだった。

こんな厳しい情報の中、自分がそこで何をできるのか、そう問いかけたときに出てくる答えは全く見当たらなかった。

 

 

正直、自分の体を守ることで精一杯なのではないかと思っていた。

 

貧困ながら、皆が「夢を持つ」力強さ。

日本でも、よく差別の問題が取りざたされるが、このインドにおける差別問題はもっと根が深く、4つの階級とそれ以外の人を区別する、国を挙げての差別政策とも呼べるものであり、それを外部から変えようなんていうことは、到底不可能ではないかと感じていた。そしてそこで生きる人々がどれだけ差別を受けていても自分ひとりで救えるようなものでもないとも思っていた。その思いの根本には、そこで生きる人たちの疲れている顔や、希望のない表情、そして決して良くない衛生・栄養状態を思い浮かべていたからだった。

 

 

実際に彼らは、物価の違いはあるとしても、1日200円程度の報酬で120日間限定の公共事業(過酷な肉体労働)や、富裕層の抱える農場で収穫の時期だけ雇われたり、高い土地代を払って作物を作って少しのお金を手に入れたりという状況だった。

 

 

また、そこで暮らす子供たちは、学校に行く時間を労働に充てられるような状況であることを聞いたときは本当にショックを受けた。日本では学校に行くのは当たり前、蛇口をひねれば飲み水が出てきて、職業も最近は景気の加減で厳しいながらも個人の努力次第では選択の自由があり、それと比較したら雲泥の差を感じた。

 

 

しかし、今回2つの村の2つのホストファミリーと、そしてそのホストファミリーの周りの食事を提供してくれる3つの家族、たくさんの村の人たちとおよそ5日間の共同生活を経験して思ったのは、「心が強い」ということ。家族とのつながりが強く、村全体が家族のようであり、また助け合って生きていた。貧困に負けていない印象を強く感じた。そして、そこで暮らす皆が必ず「夢を持っている」ということ。

 

 

17歳の青年は、将来コンピューターのエンジニアとして働くという夢をもち、また別の青年は先生を育てる先生になるという夢を持ち、小さな女の子は踊りを上手に踊りたいという夢を持ち、また、男尊女卑の風習の色濃く残るインドでは、女性側が多額の結納金を払わなくてはならない状況の中で、二人の姉妹を嫁に出すことを夢としてもつ母親の言葉も聞いた。

 

 

なんて心が強いのだろうと、逆にこちらが忘れていた何かを思い出させてくれる、そんな気持ちになった。

 

国をつなぐ、きずなASSIST活動の意義。

生きるということは何かを成し遂げるためであり、貧困という状況に甘んじず、その中でも自分の夢を持ち、またそれを実現しようという強い気持ちを聞いたとき、この人たちは「心が満たされている」と感じた。生活が豊かといわれる日本では見られない笑顔を見ることができて、最初に受けた印象とは大きく変わった。

 

 

だからこそ感じたことは、差別に対してもっと問題提起すべきではないかということ。ここで暮らす人々がその差別や貧困から解放されたとき、本当に強く生きることができ、結果として、人が豊かになり、村が豊かになり、国が豊かになると感じた。

 

 

今回ここで学んだことを、具体的にどのように生かそうかと考えているが、関わった多くのインドの人たちとも連絡を取り合って、もっと知ることで自分にできることを見つけようと思う。

 

 

このように人と「国をつなぐ」このきずなASSISTの活動は、将来に繋げていかなくてはならないものだと確信した。

 

あとがき(前編)

このたび、3月20日から3月30日までの11日間にわたる、きずなASSIST 海外ボランティア研修に参加させていただき、自分自身にとって、大変貴重で、充実した経験と時間とまた、現地で出会った人とのつながりを得ることができた。

この研修に参加するにあたって、自分自身と向き合うこと、そして、中京医薬品のCSRの一環でもあるこの活動の実態に触れる機会と、自分自身の成長について、深く学ぶことができたことを、大変ありがたく、そしてうれしく思う。

まず、この研修において、自分自身と向き合うことについて、この日本という、世界的に見て裕福であり、社会的生活について不自由のない環境に置く自信の身がどれだけ、ありがたく、幸せなことなのかということに、頭ではわかっていても、それを実感することが難しく、日々、言葉で発する感謝の気持ちと、心で発する感謝の気持ちのずれがあり、その答えを見いだせていない状況にあった。しかし今回、きずなASSISTを通じて、発展途上の国の、そして、そこで生きる人々との交流の中で、心の中から出る、本当の意味での感謝の気持ちに触れることができた。

私が訪問した村は、決して衛生的とは言えない環境で、いまだ栄養失調が絶えず、そのうえ、就労の機会も乏しく金銭的にも非常に厳しい所だった。しかし、そこで生きる人々からは、個々に夢を持ちその夢をいかに実現するのかを、熱く語ってもらえた。そして見ず知らずの私に、心から精一杯のおもてなしをしていただいた。

 

  

 

そこで何が自分にできることなのだろうかと、最初は何かわからずに戸惑っていたが、私のかた言の英語による日本の文化、歌や、そして踊りに対して目を輝かせて聞き入ってくれて、夜が更けても興味冷めやらぬ状況に、時間を忘れ、とにかく笑顔の絶えない時間を送らせていただいた。

 

  

 

ここでは言葉が通じない分、お互いが何かを伝えようと「心からの言葉」を発し、それを互いに「心で受け止める」状況で、その相手に対して本当の意味で心がつながった時に感謝する気持ちが自然と出るのもだということを実感できたと思えた。この感謝の気持ちは、今後の生活と業務において、日々実践する「健康づくり」という部分において、自身の根底におき、相手のことを真に思いやり、健康であるということがいかに幸せであるかを伝え実践し、お客様をはじめ自分をとりまく周りとの関係の中で生かしていきたいと思う。

 

  

 

今までお客様には言葉と資料だけで伝えてきた「社会貢献活動・きずなASSIST」を、今回自分自身が体験できたことで、中京医薬品が果たすCSRの一環をより鮮明に伝えることができるようになった。

 

  

 

あとがき(後編)

この研修に参加したことで、会社が打ち出す理念の中で「人づくり」という言葉にあるように、人は人でしか変えられないし、また変わることができないのだということも分かり、具体的な責任として、人と人を結びつけるこの活動、きずなASSISTがあるのだと実感した。

そして社会と共存するために必要な責任を、人づくりという形で果たしている自分の会社の存在を知った。今回得た貴重な体験を、お客様をはじめ、関係するすべての方面に発信し、この活動のみならず、会社が実践するCSRを理解いただけるように努めたいと思う。

この11日間、きずなASSISTのボランティア研修に参加させていただき、関係するすべてのお客様に感謝するとともに、今後の中京医薬品の発展と、自身の成長を約束したい。

 

※現地でいただいた食事より(抜粋)↓

 

  

 

  

 

  

 

  

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