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ベトナム・レポート 2006年8月16日〜8月25日

速水隆成

マングローブの過酷な植林活動で学んだこと

 

今回の植林活動を通して私は、ベトナムという国に、地球環境の将来を考えていく強い意志のようなものを感じました。ベトナムはまだまだ発展途上です。当然、交通網を整備するために伐採もしなければなりません。普通、伐採なら伐採、植林なら植林と考えると思いますが、現在の生活向上とともに将来の温暖化対策、生態系の維持を意識し、地道な作業、道もろくにない山中での植林を続けているのです。その作業は私にとっては未体験のことで、なぜか戦後復旧に努めてこられた先輩日本人の姿が目に浮かびました。そして私自身、温室育ちで恵まれていることを痛感しました。

 

何もない山奥での植林のため、さまざまな困難がありました。作業中に赤アリの襲来を受けたり、足場の悪い沼地を歩いて苗を運んだり、ヘドロが浮いているような場所での植林でしたので、体力はもちろん、精神力も必要で、1日の実働は3時間程度が精一杯でした。こうした過酷な状況においても、ベトナムの方々は学生も含めて助け合う姿勢を常に持っていました。弱者を助けようとする気持ちが、損得勘定なく素直に率直な態度として表れていることに驚きました。その姿勢を見て、私も無意識のうちに弱者を守る意識を教えられたように思います。

 

また、ストリートチルドレンの施設や現地の病院を視察しました。出会ったストリートチルドレンからは生きる力、勢いを感じました。子供たちはみんな元気で明るいのですが、普通の子供たちとは違う底なしの明るさ、人なつっこい魅力を持っていました。私が知らないだけで日本にも同じような施設があるのでしょう。同じような境遇の日本の子供たちも守っていかなければならないと感じました。

 

病院の視察では枯葉剤の恐ろしさを痛感するとともに、戦後30年たってもまだ残る戦争の爪あとに憤りを感じました。金銭面、人材面から満足な治療が受けられず、国の補助も完璧だとは言い難い状況がそこにあり、今の私では子供たちに笑いかけることくらいしかできないという無力感を感じました。

 

私の勉強不足、準備不足もあり、ご迷惑をおかけしたことも多々ありましたが、この貴重な体験を今後の糧にしながら、たくさんの人に伝えていきたいと思います。

 

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