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ベトナム・レポート 2007年8月15日〜8月24日

横澤弘規

ベトナム・マングローブの植林活動で芽生えた使命感

 

今回ベトナムの植林活動に参加し、マングローブの生態系は、ベトナム戦争と切ってもきれない関係にあることを知りました。この相互関係についての認識があまりなかったので、事前にベトナム戦争と生態系(マングローブ)について学習していればもっと有意義な活動になったと感じました。

ベトナムでの活動のメインは植林でしたが、期間中、クチトンネル見学や戦争証跡博物館も見学し、マングローブの再生はもちろんのこと、市内あちこちで体の不自由な方がたくさんていてベトナム戦争の傷跡がまだまだ消えていないということを改めて痛感しました。同行したベトナム人学生は、ベトナム戦争の歴史にふれ、涙ぐんでいる姿が印象的でした。ちょうど学生の親の年代がベトナム戦争真っ最中で、戦争で親兄弟が亡くなっている学生もおり、戦争について深く考えさせられました。

植林活動は、ニッパヤシという雑林伐採作業が2日と、1度植林してしまったところへの補植作業1日でした。事前日程では3日とも1日150分の予定しかなく、何だか物足りなさを感じるほどでしたが、実際に現場へ行ってみると異常に過酷で重労働でした。

植林を行う現地へは、舗装されていない道を走るバスで約2時間、さらにボードで約1時間と、宿舎から合計約3時間の移動の後、地下足袋を履いて約15分くらい歩いて行く。途中、赤アリに刺されながら現地へ到着。初日は5名ほど熱中症で倒れる学生もいるくらいで、実際の作業は3日間とも90分ほどしかできませんでした。

作業中、日本人は時計を気にしたり、「暑い」「喉がかわいた」という声があちらこちらで聞こえましたが、ベトナム人はそんな弱音をはいて居る日本人に励ましの声をかけたり、休憩という言葉を知らないのかと思うくらい黙々と作業をし、彼らのには驚かされました。

ベトナム戦争では枯葉剤をまかれ、ほとんど死んでしまったマングローブ、枯らすことは一瞬であるが、再生することは何十年、何百年……の歳月が必要だと認識しました。

今回の活動に参加させていただき、普段、日本では体験できないことを経験し、環境を守ることの大切さを知り、また互いの文化や考え方をわかり合うことの大切さを学びました。
環境について、戦争について、ベトナムについて初心者ではありますが、今回の活動を通して社員、お客さま、他の日本の方にも伝えていかなければならない使命感が芽生えました。

 

生き方を考えるきっかけになったボランティア活動

 

今回私は、マングローブの植林活動と地元の子供たちとの交流を目的としたベトナムの研修ツアーに参加させていただき、いつもの生活では得難い貴重な体験と、得難い感情を経験しました。中京医薬品に新卒で入社して今まで、会社が推進する社会貢献活動「きずなアシスト」を頭で理解するのみで、その活動を行う当事者となって人の生活を考えることはありませんでした。そんな私がこの研修で考えさせられたのは「人が生きるということ」でした。

植林活動においては、ただ単純にベトナム戦争で被害を受けたマングローブ林に植林をするということではなく、そのマングローブ林が人間の生活や、多岐にわたる生物の影響に関わるがゆえに植林活動をするということを知りました。
そしてまた、植林活動および環境保全活動は、私たちのような先進国と呼ばれる国の人間がボランティアとして行うだけでなく、地元の人々にとってはひとつの「仕事」として与えられていることを知りました。

地元の子供たちとの交流においては、何らかの事情で施設に預けられている子供たち、そして、ベトナム戦争での枯葉剤の影響を受けた子供たちとふれあいました。子供たちは自分たちのおかれている境遇を微塵も感じさせず、その明るく元気な表情に、私はとても悲しくなり、一方で勇気づけられました。ボランティア活動でベトナムに行った私のほうが逆に救われたような気がしました。

過酷なマングローブの植林活動や子供たちとのふれあいを通して、“ただ単に困っている国、困っている子供たちに何ができるのだろうか”を考えるのではなく、私自身“生活の中でどれだけ必死に生きていくのか”という問いを投げかけられた気がします。ベトナムで出会った人々、子供たちの心に負けないように、私も一生懸命生きようと思いました。最後に、今回の活動に参加させていただくにあたり、協力してくださいました全ての方にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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