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バングラデシュ・レポート 2014年3月20日〜3月29日

松本一朗

バングラデシュ到着~JCFの本部へ

■バングラデシュ到着

午前の日本を出発し香港空港を経由、10時間以上経ってダッカに到着したのが午後8時。長旅の疲れを感じているところに先ず迎えてくれたのが、3月と言うのに大量に発生している蚊の大群。刺されると病気に感染してしまうかも知れないと教えてもらっていたので、刺されないように必死に体を動かし空港を出た。

そして一番驚いたことが、バスの駐車場への移動中に見た本当にたくさんの物乞いをする人達で、その中にはまだ小学校低学年ぐらいの子供が大勢いた事に、バングラ到着後直ぐにこの国の貧しさを目の当たりにし、これからの10日間が不安になって来た。

 

  

 

そしてジョソールに向け8時間のバス移動が始まりここでも、いきなりの交通事情の違いに驚愕。走る車全てが、我先にと前を目指し車線、スピードはお構いなしに進みたい方向にただひたすらクラクションを鳴らし続けて突き進む光景に目を奪われた。

唯一理解出来た交通ルールは、弱肉強食で一番強いのはバスやトラックの大きな車、そして一番の弱者が人だった。日本と真逆のこの事実だけは、これからの10日間忘れずに気をつけようと誓った。

途中、この国初めてのチャイ(ミルクティーのようなお茶)をご馳走になった。このような、チャイを飲む店?がバングラにはたくさんある。

 

 

■ジョソール到着、JCF本部へ

バスの長旅も終えて、ジョソールに到着。シャワーを浴び少しの休憩を取ってJCFの本部へ移動。着くなり驚くのが、JCF本部のビルの大きさと綺麗さに感心した。

ここは、1976年にアルズーさん達が社会的に不利な条件におかれた人達の自助自立を目指した支援活動をする団体で、JCF(Jagorani Chakura Foundation)『開発の車輪』という意味があるところ。現在26県、11,900の村で活動し72,500人を受け入れしており、5,000人を超える職員がしっかり組織を作り働いている。

その活動の中に、マイクロクレジット(小規模融資)があり、これはグループで小規模の融資を受けて皆で助け合って返していくもの。貧困女性グループを借り手に留めるだけでなく、資金を自分達の手に持つ貸し手に育て上げ、貧困女性でも社会に出て行ける事を証明したのが素晴らしいと感じた。その他にも、教育面では学校、幼稚園の運営や、起業家支援等もしている。

 

スラム・病院・養魚場訪問~初ホームステイ

■スラム訪問

見学最初が、スラム訪問!どんな場所なのか、治安は大丈夫なのか全く想像もつかないまま見学スタート。場所は、線路が横に走る傍らに何家族かが一緒に暮らす一帯で、国の土地に勝手に家を建て、ゴミの鉄材やゴム材等を集めてそれをお金に変えて暮らしているらしく裕福ではなかったが、そこに住む人達はとても優しく私達を向かい入れてくれ話を聞かせてくれた。火を起こすのに木炭ではなく、牛糞を棒に付けて出来た物を燃料に使っており日本では考えられない事で驚いた。

 

  

 

■病院、養魚場訪問

次に訪れたのが国立病院で、院長先生との懇談会があった。日本に比べ病院の数が少ない事に加え、資金の問題で国立病院はベッド数250床に対して入院患者数が500人を超え、さらにその家族も寝泊りしているため、各階の壁がない大きなワンフロアは人が溢れかえり、ベッドに寝られない患者さんは床で点滴等の治療がされているだけで、とても国立の病院とは信じがたい光景だった。看護師の数も、バングラで働くより近隣諸国に出稼ぎ看護師で行く方が給料が良いのでそちらに行ってしまい慢性的に少ないのが現状だとか。

この日最後に訪れたのが養魚場で、この養魚場はマイクロクレジットの融資で成功し、今ではJCF活動の資金面で大きな支えになっているところ。現場では、実際に魚を網で取るところを見学させていただいた。

また、隣接する施設ではバングラヤギの繁殖場があり、希少価値の高いバングラヤギの繁殖がされていた。バングラヤギは美味しい乳を出すようで、あと2回程度の繁殖で生粋のバングラヤギが出来るそうだ。

 

 

■初のホームステイ

今日訪れたスラム地区に戻り宿泊させて頂くお宅に着くと、入るなり花の首飾りとウエルカムドリンクでお出迎え。近所のスラム地区の子供たちも民族衣装に着替えて踊りの歓迎、家に入りきらない人でいっぱいでその歓迎ぶりに感謝でいっぱいになった。

夕食は、チキンカレーに魚のフライ、フルーツにとても甘いドーナッツのようなお菓子等々、美味しくてお腹いっぱいになった。

ただ、朝起きた時にベッドの下に白い猫が入って来ていて、さすがに猫も驚いただろうが、私も声を出して驚いてしまった。後で聞いたら、いつも入ってくるノラ猫だったようだ。

 

  

 

 

学校見学、ひと掴みの米、ホームステイ~まとめ

■学校、幼稚園、チルドレンヘブン見学

JCFが運営をする小学校に訪問、どの子も真剣に勉強に励む姿がとても印象的だった。カメラを向けると皆嬉しそうな笑顔で答えてくれて、あっという間に囲まれるぐらい。

 

 

そんな、純粋な子供たちも家庭の事情で高学年になると登校しなくなる子供もいるのが現在のバングラの実情。私も三人の子供を持つ親として、登校できない子供たちのことを思うと切なくなった。バングラの伝統的な踊りも披露していただき楽しい時間がすごせた。

 

  

 

チルドレンヘブンへ訪問、この施設は母親が性産業で働く子供たちがいる施設で、ここが出来る前は、罪を犯すか母親と同じ道に進むのが当たり前のような環境だった。バングラでは、父親の名前が分からない場合は学校にも行けなかった事を、父親の名前にJCFと記入する事で入学出来るように行政に働きかけて実現された。この施設にいる子もどこにでもいる普通の子供たちに将来の希望を作ることが出来て本当良かったと思うとともに、JCFの素晴らしい意義が勉強になった。

■ひと掴みの米

ナトールの村では、『ひと掴みの米』(エク・ムスティ・チャール)と言って昔からお金を稼ぐ事の出来ない女性が、食事の支度をする際にひと掴みの米を少しずつ貯めて何かあった時にお金に変えたりしていた習慣を、村全体の女性のグループで行う事でまとまったお金を作り、それを元手に家畜を飼って育て、それを大きな収入にする事で子供たちを学校に行かせられるようになったと誇らしげに話してくれた。どこの国でも女性の強さ、母の愛情があるのだと感じた。

 

 

■ホームステイ2軒目

ホームステイも2軒目のお宅にお世話になり、ここでは小学校に通う男の子、中学生の女の子、そして24歳のお姉さんの3兄弟のいる5人家族だった。日本から持参した折り紙で鶴を作ると、とても喜んでくれて何羽も折った。

毎朝お父さんと近所を一時間散歩し、お母さんのショミティの活動について回った。ショミティとは、マイクロクレジットを受ける一番小さな集団で民族衣装の刺繍工芸品や座布団カバーの裁縫品を皆で作ってその収入でまた新たな仕事に使ったり、必要な人に貸したりする事をしている。したがってお母さんは休み無く働いていた。お母さんやお姉さんは、笑ってお父さんはいつも寝ていて働いていないと冗談を言っていた。

このお宅に来て、夜のマーケットに連れて行ってもらったり、バングラの動物・植物園に行ったりと色々見せてもらい、貴重な経験をする事ができた。そして、3月26日のバングラの独立記念日を迎える日に感心した事が、朝からテレビで記念日の放送が流れているところ、午前11時に国家斉唱が始まると家族皆で立ち上がり国家を一緒に歌っていました。私も一緒に立って国家を聞き、改めてバングラ国民の愛国心を学ぶ事が出来た。

 

  

 

■旅のまとめ

研修を振り返ると、今の自分の置かれた環境、家族、周りの全ての人、物に感謝の気持ちが湧き出てきます。バングラで経験したかけがえのない体験を、これからの人生の糧に出来るように日々を精一杯過ごし、少しでも周りの人の役に立てる様にして行きたいと思います。

この機会を与えていただいたことに、心より感謝します。
有り難うございました。

 

 

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