きずなASSIST

KIZUNA Assist

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べトナム・レポート 2010年8月16日〜8月25日

岸 良彰

第1日~第5日(驚き、学び、体感、植林活動、そして親睦)

第1日: 今日からいよいよ10日間のベトナム生活が始まる。ベトナムに行くことが決まったときは、正直少し不安を感じた。しっかりと言葉を話せるだろうか、ベトナムの学生と仲良くなれるだろうか、日本からの大学生とも仲良くなれるだろうか、植林はしっかり出来るだろうかなどいろいろと頭をよぎった。しかし実際にベトナムに着いてみると自分が思っていた光景とは全く違っており、驚いたことにホーチミンは意外と都会であり自分が想像していたよりも都市であり発展していた。また、バイクがものすごく多く日本では考えられないくらいの数だった。この日の夕食は、日頃から日本食に慣れているせいか疲れていることもありあまり食が進まなかった。

 

  

 

第2日: ホテルは綺麗で昨日はぐっすり眠れた。今日はベトナム戦争のときに市民がアメリカ兵に勝つため、また生き残るために様々な仕掛けや罠をしていたクチトンネルの見学。地下に生活の場を移したり、落とし穴を作ったりと生きるために必死だったと思う。ただ、このクチトンネルを見学して戦争に対する怒りも覚えた。戦争をして良いことなんかひとつもない。戦争をすることにより自然を崩壊し、尊い人の命までもが奪われてしまう。同じ人間同士が命を奪い合うことなど馬鹿げている。早く平和な世の中になってもらいたいと思う。

 

  

 

第3日: 今日からベトナムの学生が合流し一緒に生活をする。会うまでは少し緊張していたが、実際に会ってみると積極的に日本語で話しかけてくれた。ベトナムの学生は日本語を話すことにとても熱心だった。特にそう感じたのは、わからない言葉があったときにノートに書いておいたり、携帯に忘れないようにメモしていたり、ほとんどの学生がそうしていた。すごく熱心だった。何かを学ぶということは、これくらいのことをするのだと実感し、自分自身に置き換えてみると少し恥ずかしくもなり、こういう姿勢を身につけるべきだと思った。

そしてホーチミンからバスでおよそ150分かけてカンザーへ移動。移動していくうちに道もどんどん悪くなり、都市ホーチミンとの差を感じた。ホテルにはベッドもなく、お風呂もなく、シャワーも部屋にはなかった。トイレの隣で水をバケツに溜め、そこで体を洗った。もちろんお湯もなし。さらに部屋の中やトイレにはヤモリや蛙など色々な生物がいた。料理には雨水を使っていたりして、日本では考えられない状況だった。いかに自分が恵まれている環境にいるのかを痛感させられた。

 

  

 

第4日: 今日は朝から早く起きて出発。今日からの3日間が一番のメイン。植樹地へはバスと船でおよそ120分。船から降りたときに正直思ったことは、「本当にここで作業するの?」だった。どんどん奥に進むに連れて足場が悪くなり、今回の活動の目的はニッパヤシという葉を切る作業。気温は高く、服装は長袖・長ズボンで帽子を被り、軍手をして足袋を履いていたので非常に暑かった。

次第に体力は奪われていった。自分が想像していた以上にきつかった。そんな中でもベトナムの学生は一生懸命作業していた。わずか2時間の作業だったが、失ったものを復興させるには手間隙がかかり大変であることが身をもって体感できた。また、このような地道な努力が大きな成果へと繋がると感じた。

 

  

 

カンザーのホテルに着いてからすぐに洗濯をした。もちろん洗濯機はなく何度も何度も水洗いをして干した。面倒くさい作業だったが、普段はやらないので良い経験だったと思う。夜の親睦会では、日本の学生とベトナムの学生は互い母国語で歌いそして盛り上がった。人と人とが仲良くなる、一緒に楽しむのに言葉は必要なかった。こうやって一緒に一日過ごしたことで、ベトナムの学生との「心の距離」が近くなったと感じた。

 

  

 

第5日: 植林活動2日目。この日は先日のスコールにより足場はさらに悪くなっていた。気温は相変わらず暑く30分やっては休憩するといった感じで2時間くらい作業をした。この日は夕食後に討論会が開かれた。テーマは「国際結婚」。今自分は結婚していてもうすぐ1歳になる娘がいるが、日本の学生とベトナムの学生がどのような意見を持っているのかとても興味があった。日本の学生もベトナムの学生も「愛があれば国際結婚はありだ」と一人ひとりが自分なりの意見を持っていた。普段では話し合うこともないようなテーマでありながら聞く側も話す側も真剣で、何よりもしっかりと意見交換できたのが良かったと思う。

 

  

 

充実、交流、友、気づき、そして感謝

第6日: 植林活動最終日。今日は初日、2日目とはやる内容が違い塩田での作業。この日の作業はまず、土を掘り起こし苗を植えていく。場所によって土が硬かったり柔らかかったりと様々で、この日も作業は大変だったが、この3日間はとても充実していた。この植林活動を通じて、もっと環境に対して興味を持ってもらいたいと思った。失うことは簡単だがそれを元に戻すのは並大抵のことでは出来ない。だからこそ、一人ひとりの環境に対する意識を変えてもらいたいと思う。

 

  

 

第7日: 植林作業が終わり、寄宿学校では学校の子たちと一緒にサッカーをした。グランドはぬかるんでいたり、ゴールはないので木で作っていたりした。私は小学生のときからサッカーをしているので少し自信があったのだが、結果は惨敗。しかしこの日のために日本の学生とベトナムの学生と一緒に毎日植林活動の後に練習してきて良かったと思った。試合後に皆で食べたカレーも美味しかったし、何より子たちの笑顔がとても印象的だった。

 

  

 

第8日: 今日は農業農村発展局長へ報告の日。どの学生もこの植林活動を通じて真剣に環境に対して発言していた。このような人たちがひとりでも多く増えれば、きっと今よりも住みやすい地球になると思う。行動を共にし、一緒に働き、一緒に笑い日本に居ては絶対に経験出来なかった貴重な時間を惜しみながら、夜のさよならパーティーで盛り上がった。この6日間で皆が本当に仲良くなった。

 

  

 

第9日: 今日は1日自由ということで、ホーチミン市内を観光。この日に行った戦争記念博物館は衝撃的で考えさせられた。ここにはベトナム戦争による被害を受けた子供の写真やベトナム戦争の写真、枯葉剤の影響をうけた子供の写真などが展示されていた。改めて戦争の愚かさ、戦争に対する怒りが込み上げてきた。私たちが地球に対して出来ることには、環境意識を変えることなど色々あると思う。しかしその中でも、地球に住んでいる「人間がまとまる」ことこそが大事だと思う。同じ人間同士で殺しあう必要はない。人はどの国に住んでいようが、何語を話そうが、肌の色が違おうが、きっと仲良くなれるはずだ。世界がひとつになるためには、お互いの気持ち次第だと思う。

 

  

 

第10日: 帰国の日。ベトナムの学生が空港まで見送りに来てくれて、飛行機の搭乗手続きをしているときにベトナムとの別れが寂しく感じられた。日本の生活と断然違い戸惑いもあったが、実際にこのベトナムでの10日間を経験したからこそ実際に不便さを感じたり、今の自分の置かれている状況を把握出来たりしたのだと思う。

 

  

 

このベトナムでの生活を通じて感じたことは、”感謝”です。こうやってベトナムの学生や日本の学生と出会えたことに感謝であり、自分が置かれている環境に感謝であり、何よりも、このような会に参加させて頂いたことに感謝しています。またこのような生活をすることでモノの見方や考え方、視野が広がったようにも感じます。それと同時にもっと一人ひとりが環境に意識を向けるべきであると感じました。自分が人に対して何が出来るのか、地球に対して何が出来るのかを常に考え、それを行動に移していきたいと思います。このきずなASSIST活動の経験を通じて自分に携わって頂いた方々に感謝します。本当にありがとうございました。

 

  

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