新美南吉生誕110年記念事業に関するお知らせ

2023.06.26

お知らせ

創作童話を募集します。

【事業名】 第35回新美南吉童話賞 作品募集
【応募期間】 2023年9月10日(日曜日)まで
【部門】 自由創作部門/新美南吉オマージュ部門
【対象】 小学生~大人
【賞金】 最大40万円(最優秀賞) ほか

今年も新美南吉記念館では、小学生から大人まで創作童話を募集します。枚数は一番多い部でも400字詰原稿用紙7枚以内。この機会にお話を書いてみませんか? 記念館へ直接作品をお持ちいただくと、もれなく「ごん吉くん消しゴム」がもらえます。
さらに今年は新美南吉生誕110年を記念して、最優秀賞・各部門優秀賞受賞者に半田市特産品をプレゼント!

▼詳しい応募規定はコチラ(南吉記念館HP)
http://www.nankichi.gr.jp/Dowasyo/bosyu35.html

【おまけ情報】

南吉は童話や小説、詩などの作品以外に、いくつかエッセーも書いています。
次に挙げるのは、「早稲田大学新聞」(1941年11月26日)に掲載された南吉の童話論、「童話に於ける物語性の喪失」の一部です。

「紙で読んで面白くない童話は口から聞かされても面白くない。口から聞かされてもつまらない童話は紙で読んでもつまらなくない筈がない。」
「童話はもと――それが文学などといふ立派な名前で呼ばれなかつた時分――話であつた、物語りであつた。文学になつてからも物語りであることをやめなかつた(アンデルゼンやソログーブのことを憶ひ出して下さい)。文芸童話の時代になつても童話は物語りであることをやめてはならなかつたのである。(略)このことは、童話の読者が誰であるかを考へて見ればすぐ解る。相手は子供であつて文学青年ではない。そこで今日の童話は、物語性を取り戻す事に努力を拂はねばならない。」

新美南吉童話賞の受賞者へインタビューしていると、この“語る”ことの大切さを実感します。はじめ自分の子どものためにお話をつくって、語っているうちに、それが高じて童話賞に応募してみた――という方によくお会いするからです。口から聞かせて面白いと思わせるためには、ストーリーが大切です。普段から子どもという読者相手に、自然とそのことを心がけてきたからこそ、受賞につながったのだろうと思わされます。
南吉の代表作「ごん狐」も、初めは代用教員時代、小学校の子どもたちへ語って聞かせたお話でした。