048: 安心のヒューマンネットを基本に

2011.10.10

著書「心のしずく」より

※著書「心のしずく」より ~アーカイブ100回連載シリーズ~
※この記事は、平成八年~平成十六年にかけて執筆されたものです。

 平素より敬愛してやまない当社顧問の佐藤文男先生が、この度感銘深い書を上梓されました。『働いて手に入れるもの、なくすもの』発行所は株式会社エイチアンドアイです。先生らしい、すさまじいほどの喜怒哀楽を切り口に人生観、仕事観、人間関係観など、たたき上げの本物人間のみがもつ深い思いや人生の示唆に富んだ名著です。是非とも皆さんも熟読されることを強く勧めておきます。
 さて、今あらゆる業種業態を問わず、企業や商店がその生き残りをかけて腐心しているのは「集客」と「維持」の二大テーマである。とにもかくにも、先ずお客様に来てもらう為にはいかにしたらよいのか。そして来てもらったお客様に買ってもらう為にはいかにしたらよいのか。さらにそのお客様に末永く継続してもらう為にはいかにしたらよいのか、という死活問題である。
 特に流通業界ではカードを作ったり、サービス券、優待券やDM、会員誌を送付したり、ATMを設置したり、インターネットを活用したり、航空業界のようにマイレージ等々、多様な戦略戦術を駆使してお客様の囲い込みとロイヤリティーを高める為に、「集客」と「維持」に一所懸命である。
 こういう現況をつらつら考え合わせると、おかげさまで我々の常備配置薬の配置販売業は極めて恵まれた企業ポジショニングにあり、また極めて優れたシステムであると改めて痛感するものである。もはや我々は一次段階の集客より二歩も三歩も先んじて、常時訪問することが出来る最終段階の特定客・固定客を持っているのだ。しかも定期的、半永久的に訪問できるので、おのずと維持、継続(リピート、アフターサービス、メンテナンス)が出来るシステムになっているのだ。
 「今、どこの店も来客の減少に困っているのに、不廻りなどは言語道断だ」
 さらにインターネットと比べて、我々は直にお客様の顔が見える。生の声が聴ける。安心のヒューマンネットを基本とした、草の根のふれあいだから当然お客様からの信頼と期待もその大きさが違う。このことはかけ値なしに、どえらいことであり、ほかから見れば羨望と垂涎の的なのだ。
 だからこそ種々様々の業種から、エンドユーザー直結の当社のもとへ引きも切らず大勢して日参してくれるのだ。多くの相手から選ばれる喜びと同時にそのうちから相手を選べる優位性を持っていることは、本当に贅沢で有り難いことだ。

平成十二年三月一日