024: 人も企業も因果応報

2010.10.10

著書「心のしずく」より

※著書「心のしずく」より ~アーカイブ100回連載シリーズ~
※この記事は、平成八年~平成十六年にかけて執筆されたものです。

 新年あけましておめでとうございます。
 いまだかつてない大競争大変革が急速に進む年を迎えました。今年は昨年以上に性根を据えて臨まなければなりません。格段の力添えを頂きますよう宜しくお願いします。
 このところ思ってもみないまさかの上場企業の倒産が続出だ。その影響はあまりにも大きく悲劇的だ。とても他人事とは思えない、いよいよ全産業にわたるビックバンの序曲が始まった。これから何が起きるか分からないし、又起きたとしてもその時になっていたずらに右往左往しないように、対応力とそして何よりも増して常日頃より体力をつけておかねばならない。
 さて世の中のことは例外なく全て原因のない結果はない。倒産する企業についてつらつらと考えてみるとおおよそこんなことが言えるのではなかろうか。
 本分・本業を忘れて易きに流される、人の道、商いの道を踏み外す、目先ばかりに捉われて理念ビジョン識見なし常日頃の貯え備えなし、身の程知らずの無理無謀な投機、あなたまかせで依存心のかたまり、自主性・自立性の欠如、ものを言う勇気と言ってもらう受容の姿勢の欠如。
 因果応報とはこのことか、結局企業も人も道は同じことだ。もって他山の石とすべし。
 過日、瀧村仁監督もわが町にいらっしゃるということで、地球交響曲ガイアシンフォニー3番を鑑賞する絶好の機会を得た。予想に違わず自ずと魂が震える感動的な素晴しい作品の一言に尽きる。
 この感動を紙面ではとても伝える事は出来ないが、写真家でありエッセイストでもある故星野道夫氏の生き方を綴った映画である。極北の地アラスカに20年住み、大自然と様々な人々との出会いを通して人間が宇宙的なスケジュールで動いている中、大自然の営みと調和して生きて行くための様々な英知を未来の世代にどう伝えてゆくべきかを探し求める人生の旅路が描かれている。
 また、その次の瀧村監督の講演はストレートに魂にしみ込んだ印象的な主なものを挙げてみよう。
●小さな生命の一つ一つが大きな(地球)の生命を動かしている。
●明日の生命は誰にも分からない。いつ何が起きるか分からない。だからこそ今日を大切に生きよう。そして自分の生命は他の生命を頂いて生かされている、他の生命と共に生かされている。
●会う人には一瞬一瞬人間として誠実に関ってゆこう。
●大いなる力は決して遠い所にあるのではなくて、小さな一人一人の中にある。
 是非ともお薦めしたい、この作品は必ず自分の何かを変えてくれる。

平成九年十二月三十一日