思うままに No.267
2018.02.28
※エッセー「思うままに」より ~毎月更新~
少子高齢化社会にあってシニアマーケットは着実にその存在を増し消費も堅調だ。富裕層といわれる大部分はこのシニアが占める。この層は商品、サービス、接客に関する思いや、長年の経験による人や物に対する目利き力は若い人と比べて格段に高い。一時の流行を追わず、無駄遣いをせず、自分にとってほんとうに必要なものには金を惜しまない賢明で堅実な消費者だ。
この人々のほとんどは物質面ではさして不自由もなく、大抵の物はもつが、精神面ではこだわりや充実感を重視する。とりわけ健康に関しては極めて強い関心とそれをとり入れる貪欲さを持ち合わせている。
いまこのシニア層は健康寿命も伸び予備軍を含め増加の一途を辿るところで当社のお客様の大半はシニア層だ。この格別なご愛顧とご支援のおかげで成り立っているといっても過言ではない大切な大切なお客様だ。極めてロイヤリティーが高く、心と心のつながりや心配りをもっとも大事にする。
それだけにその信頼と期待には心して応えていかなければならない、そして同時にこのお客様を多く有することが外からはどれほど垂涎の的として恵まれているかを改めて有り難く思う。したがってこの大財産である顧客基盤を継続して固定客にもつ強みをいかに活かしお役に立てるかが成長戦略において不可欠となる。
顧客起点によるマーケティング、商品、営業開発を推し進めてさらに深耕して末長くご愛顧とご支援を頂けるようにしなければならない。デジタル社会にあっては便利さや安直さと引き換えに無機質さや無気味さが常に伴うが、それ故に近頃はますますアナログのもつ確かさ、良さ、安定感が求められている。
デジタルはふれあいや情愛においては永遠にアナログにはかなわない。AIがどんなに進化発展しようとも人間の心の働きやその機微には到底追いつかない。
ドラッカーは「経営の最高のノウハウは顧客とのリレーションづくり」と説く。このリレーションの最たるものはふれあいにある。お互いに顔が見える安心感、心が通い合う親密感によってよき人間関係が築かれるのだと。
これからはお客様が来るのを待つ集客よりも、こちらから能動的にお客様のもとに訪れる訪販の優位性はますます高くなる。また必要な時必要な分だけ利用できる車、衣服、機械等々のシェアやレンタルのように所有から利用活用の時代に様々なものが移行している。翻ってこのことを配置業は三百五十年前より先用後利の理念のもとに全国津々浦々、今日まで継承し信頼とご愛顧を頂いてきたのだ。
改めて配置薬のビジネスの仕組みと草の根の強さ、素晴らしさを痛感する。