思うままに No.210

2013.05.31

エッセー「思うままに」

※エッセー「思うままに」より ~毎月更新~

 このほど5月4日の亀崎潮干祭の日に合わせて「街かどサロンかめとも」を仮オープンした。亀崎では初の試みだ。おかげさまで来客は半田市長、市議、県議、県知事、国会議員の皆様はじめ4百余名が来場を頂き大変な賑わいになった。新聞テレビ等各メディアにもとり上げられた。このサロンは昨年十月に発足した特定非営利法人亀崎まちおこしの会の活動拠点となるものだ。
 有り難いことに旧藤友呉服店主新美明康様のご篤志により土地建物を是非ともまちのために活用して頂きたいとのかねてよりの強いご要望から無償でご寄贈下さったものだ。仮オープンの日に間に合わせるために多くの皆さんのご奉仕を頂いて庭や家屋の整理整頓清掃を行い見違えるようになった。新美さんが部屋を見回しながら感慨深げにこうおっしゃった「おかげさんで息が吹き返った。こんなにきれいにしてもらって家屋が喜んでいます。ありがとう。」と。
 さて亀崎は幸いなことに国指定の重要無形文化財の潮干祭があり日本最古のJRの駅舎、坂道、せこと呼ばれる細い路地、神社、寺鬼門地蔵等々昔より残された古い歴史文化に息づき現存している。そして何よりも亀崎を愛する人たちの熱い思いが今も根付いている。この有形無形の財産を活かしてまちを活性化させて次代へと繋げていこうというのが会の設立趣旨だ。
 またこのサロンは子供からお年寄りまで気軽に集う交流の場にしたいと考えている。会の仲間たちには郷土愛から異口同音にこの地に生まれ育ててもらったことへの少しでも恩返しをしたいという思いが強い。
 この会の実際の運営にあたっては理想と現実、片手にロマン片手にソロバンが要る。地域住民が主役となって会を盛り上げ、全国各地より見本とされるような元気で明るいモデル地区を創り上げていきたいと考えている。そのためには発想を変え皆さんの知恵を絞らなければならない。ことはそう簡単には運ばないが〈まちづくりは人づくり〉を念頭に老若男女地域住民の皆さんの思いと力を借りて一歩一歩の歩みを重ねていくしかない。
 この話を校長先生に話したらこんな答えが返ってきた。「子供たちがキーポイントになるでしょう。どんどん参画させる企画が大事ですね。私も協力します」と。
 いま住民の住民による住民のためのまちづくりへの新たな挑戦が始まった。