思うままに No.205

2013.01.01

エッセー「思うままに」

※エッセー「思うままに」より ~毎月更新~

 明けましておめでとうございます。本年こそ希望が叶えられるように期待に応えられるように、成果が図られるように、皆で一致協力しましょう。
 さてほとんどの人は一生の大半を会社で過ごす。仕事のやりがいやその成否が人生の良し悪しを決める。その意味でたった一度しかない人生には何よりも高い志と仕事の意義、目的、目標をしっかり持ち続けることが大事だ。仕事はひとりでは何ひとつできない。関係する多くの人のお世話になるが故に少しでも人の役に立つ、ためになる強い思いがなくてはならない、いつもその先にある人の喜ぶ顔を想像しながら。
 仕事に辛苦は伴うがそれをバネにして楽しみや面白みにかえていくとき志の力には計り知れないものがある。志とは個においては信念や希望や向上心であり企業で言えば理念やビジョンや社会貢献に相当する。もとより企業はお客様をはじめお取引先、従業員とその家族、社会、株主のステークホルダーに支えられ成り立つ。
 これらに対する社会的責任=約束を果たしてこそ企業の持続的な成長発展が図られる。企業の社会的責任とはとりもなおさずそこに属する。一人ひとりが同じようにそれを果たしていくことを意味する。言うまでもなく企業の基は人だ。人が全てを創り出す。無機質の企業体に魂を吹き込み実のあるものにしていくのは信念と希望と向上心をもつ人たちだ。企業の将来性、成長性は人のそれと共有し連動する。企業価値の増大もまた人の価値のそれに正比例する。
 また人に人格があるように企業にも品格がある。この品格をつくり上げていくには正しく志の有無、高低にかかっている。志は恵まれた環境下よりも不備、不足の悪条件下ほど高まるものだ。当社はこの志の起動を「より愛され、より親しまれる企業」を目指すことより始める。
 とりわけお客様に対してはほのぼのとした温もりを感じて頂けるよう、常に高いホスピタリティーに溢れるふれあいが求められる。また縁あっての従業員の皆さんにはいろいろと厳しいこともあろうが、この会社の一員になってよかったという自身と誇りをもてるように。会社の希望と自分の希望が合致できるように。さらに将来は自分の子供にも勤めさせたい。地域社会からは婿嫁にするならあの会社だから間違いないと評価を頂けるように。そんなことを目指していくことがいい会社をつくっていく条件になると考えている。
 社風、品格は一日にして成らないが、高い志と不断の努力によって実現に近づく。アメとムチではなく希望と激励、他律と受動ではなく自律と能動、そんな企業を目指して皆さんと協働し創造し続けていくことを念じて止まない。