067: 働くことほど尊いものはない

2012.07.25

著書「心のしずく」より

※著書「心のしずく」より ~アーカイブ100回連載シリーズ~
※この記事は、平成八年~平成十六年にかけて執筆されたものです。

 将来ある、特に若い人たちの中で、もったいない人生を過ごしている人をみると口惜しくてたまらない。
「遠慮なければ、必ず近憂あり」のごとく、自分のビジョンをもたないから、長期的に物事を考えないから、すぐ目先のことにとらわれたり、クヨクヨすることになり、人生を損なってしまう。
 この度PHP研究所より『トップが綴る一日一話、仕事の指針 心の座標軸』(価格一六〇〇円)が出版されました。そのなかに私の執筆した文章「働くことほど尊いものはない」が掲載されておりますのでここに案内します。
 「働くことほど尊いものはない」働くということには、千変万化の出逢いがあり、これほど深奥で飽きのこないものはない。おりおり、言いようのない感動感激感謝を生んでくれる。働くことには二つの目的がある。
 ひとつは生活の糧を求めること、もうひとつはより重要であるが人生の糧を求めることにある。これはいかに自分を高めていくかへの挑戦だ。強い好奇心、信念と希望を持ちつづけ、目標に挑んでいく生き様から得られる。すべてのテーマは、いつも「何をする」の前に「何のために」、「できない理由」より「できる方法」が起点でなくてはならない。果して世のため人のためになるのかどうかを熟慮し、積極的、肯定的、能動的に断行していくことが肝要だ。
 志と目標は高いほど難易度も高くなるが、その分精神の足腰は鍛えられる。挑戦するからこそ、躓いたり悩んだりするが、それはまさに懸命な努力の証しであり、生き生かされる、生への深い思いでもある。
 人生は長い。いろいろのことがあるが、徒らに一喜一憂は禁物だ。その度に振り回され、易きに流されては自分が不在になるし、人生がしぼむ。何が起きようとも、しっかり肚(はら)を据えて、いま自分のできることに、全力を傾注していくとき、精神が高まり、自ずと道が拓ける。
 順風のときは、おかげさまに感謝し、逆風のときは天から試されていると思えばいい。
 働けば働くほどに、人間力と人生の輝きは増してくる。

平成十三年十月三十一日