064: 勇気・本気・元気を出して
2012.06.10
※著書「心のしずく」より ~アーカイブ100回連載シリーズ~
※この記事は、平成八年~平成十六年にかけて執筆されたものです。
ビジネスマンたるもの常在戦場の心構えを持ち続けていないと勤まらない。毎日が戦いの場だから、常に能うる限りの準備万端を整えておかないと勝負には勝てない。かのタイガーウッズも常在戦場を心し、練習の時は、本番さながらの気迫で臨む。もちろんあの素晴らしいショットを生み出す商売道具の手入れといったら、これまた自身の体以上にケアーに余念がない。
さて、軍隊の規律が何故に厳格に守られるかというと、規律の乱れは即、軍の敗北に直結するからだ。その意味で規律は、会社も軍隊と同じで、組織を維持発展させていく上では、極めて重要なことだ。そして組織の強弱は、ひとえにリーダーの姿勢と采配で決まる。良きリーダーは何よりも規律と礼節を重んじ、もう一方では柔軟な発想を持ち、常に部下と共に目標を共有する。さらに協力者である部下一人ひとりに細心の注意と関心を払い、目的と希望に照らし合わせて、具体的な要求をし、そのレベルを上げていってこそ強い軍団ができる。
そこでリーダーがよく間違うことが二つある。その一つは自分にも部下にも目標が明確になっていないことだ。羅針盤も海図もない航海のごとくで、船は目指す港へは着けない。結局、大海をたださまようだけで、無目的、無定見だから、徒労に終る。
その二つは数字のいい部下には少々間違っていても、是は是、非は非を言えず、見て見ぬふりをして放置してしまうことだ。こうなると、組織は成り立たなくなる。せっかくの将来ある秀れた人材をダメにしてしまう。罪なことだ。部下とぶつかることを恐れてはいけない。リーダーとしての使命と役割を弁えておけば、言うべきことはきちっと言えるものだ。そのもとは大事な、大事な人への深い思いだ。
この人をどのように伸ばし、どのように育て上げていくか、一人ひとりに対して方針戦略を立て、具体的なレベルを要求していくことだ。それを進めていくうちに、いろいろの問題が出てくるが、問題を伸ばすためのチャンスと把えるのか、それともやっかいなトラブルとして把えるのか、考え方、接し方ひとつで結果に大きな違いができる。
重ねて言っておく。リーダーは普段より、組織の規律、礼節、活性を念頭に入れ、全員で目標を共有し、具体的な要求と確認を繰り返し行うことだ。
さあ 勇気、本気、元気を出して行こう。
平成十三年七月三十一日