036: 熱心な素人は玄人に勝る

2011.04.10

著書「心のしずく」より

※著書「心のしずく」より ~アーカイブ100回連載シリーズ~
※この記事は、平成八年~平成十六年にかけて執筆されたものです。

 私が尊敬してやまない、京セラの創始者、稲盛和夫氏が常々説かれる「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という方程式がある。極めて簡潔にして、当を得た原理原則で自己分析するには非常に分かり易い。
 人生も仕事もその結果の大小は考え方と熱意と能力の掛け算で決まる。考え方が悪ければ、いかに熱意や能力があっても空回りするだけで結局は徒労に終わる。熱意がなければ相手には伝わらないし、能力がなければ実行に移せない。
「考え方」
 ・会社はお客様のためにある。世のため、人のために役に立つことにある。
 ・他人を助けてこそ自分も助かる。
 ・職場は生活の糧と同時に、大事な人生の糧を求めるところである。
 ・高い目標は自分を高める。
 ・目標や時間に追われるのではなく、目標や時間は追うものだ。
  他人から言われてやらされるのではなくて、自ら進んでやるものだ。
  そのもとは人間尊重だ。あくまでも人間が主体だ。主役は自分だ。
 ・できない理由を並べる前に、できる方法を考えよう。
 ・いい結果はおかげさまと感謝し、悪い結果は身から出たサビと考え反省しよう。
 ・叱られるのではなくて、教えてもらっているのだ。
  そこには感謝することはあっても、うらみ、つらみに思うことはもってのほかだ。
 ・職場は自分を磨き高める、実践の人間道場だ。
 ・希望のともしびを燃やし続けよう。
  希望の火を消すことは命の火を消すことと同じだ。
「熱意」
 ・熱心な素人は玄人に勝る。
 ・火種が強ければ、青草さえも燃える。
 ・熱意は最上の説得力だ。
「能力」
 ・道具と同じで使ってはじめて用をなす。
  いかなる才能があっても使わなければ才能があるとは言わない。
 ・おおよそ、ほとんどの能力は努力と精進によってつくられる。
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」 自己分析に活用しよう。

平成十一年一月三十日