013: いいことはおかげさま
2010.04.25
※著書「心のしずく」より ~アーカイブ100回連載シリーズ~
※この記事は、平成八年~平成十六年にかけて執筆されたものです。
新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。
よく思うことであるが、新年というのはただ暦が新しくなるだけではない。新しい年にのぞみ、新しい自分をどのように新しくつくっていくのか、そのためには昨年の反省を活かしながら、自分をどのように変え続けていくかである。
生ある限り、新年を迎えることのできることはありがたいことで、気分を一新できる、またとないきっかけであり、スタートの節目である。そして、それはテーマの設定と徹頭徹尾、コツコツと実践していくことを自分が自分に固く誓うことである。
さて、おおよそ世の中のこと、よほどの超人的なことは別として、諸事やってやれないことはない。本気になって、本腰を入れてやれば、まずできるようになっている。またそういう真摯な姿勢でのぞむと、目に見えない、何か偉大な力が不思議と味方をしてくれるものだ。
そこで、できた、できなかった、そのいずれの結果にも、一つの例外もなく必ず原因というものがある。さらに、原因には内因と外因がある。きまって、できた人もできなかった人も、原因を内因よりむしろ外因に求めるものだ。ここが肝心なところだ。
できた人は陰に陽に限りない支援や助力をいただいたからこそというおかげさまの精神がある。だからこういう人は周りに対して、感謝の気持ちが厚い。常に謙虚だから果てしなく進歩成長していく。一方できなかった人はその原因を自分に求めず、それを棚に上げて外に原因を求める。周りが悪かったから、できなかったと。だからこういう人は、いつまでたっても幼児性が抜け切らず、依存心が強いので前へと歩を進められない。
このことを相田みつをさん、ずばりいわく。
「いいことはおかげさま、わるいことは身から出たさび」と。
深く、自省、自戒するところである。
平成九年一月六日