009: 会社も社員もトータル・ヘルス・ケア

2010.02.25

著書「心のしずく」より

※著書「心のしずく」より ~アーカイブ100回連載シリーズ~
※この記事は、平成八年~平成十六年にかけて執筆されたものです。

 名古屋テレビの経済番組「元気!!東海経済」のテレビ出演の依頼を受け、対談形式にて(株)東海総合研究所の経営コンサルタントの第一人者の酒向常務に相手をしていただいた。
 事前の打合せや対談を通して色々と質問を頂き、答えたり意見交換をする中で現在我が社が進めている経営の理念方針戦略にあらためてこれで間違いないと再確認し、一層の自信を深めた思いがある。それは中京医薬品の企業ポジショニングとポリシーが時代社会に極めて恵まれ、優れていることだ。
 その要点は三つある。
 その一つは他に類をみない傑出したML(メディカル・リース:先用後利・お客様本位)の思想とシステムにある。そしてこのシステムが半永久的にお客様の占有化固定化につながっていること。
 その二つはトータル・ヘルス・ケアー(トータル・ライフ・ケアー)の戦略がMLシステムにぴったりと合致していることだ。車の両輪の如く。加えて高品質、ロープライス、高安全にこだわった自社ブランド(プライド・ブランド)に裏打ちされていることだ。
 その三つはMLとトータルヘルスケアーを基に地域に蜜着してヒューマンビジネスの原点とも言える“ふれあい業”として位置づけ展開しているところにある。
 しかしもう一方で現場を見聞きするとき、少なからずこんな思いがしてならない。
 それは最高のサーキットで最高のマシンを駆使するレーシングドライバーが無知や未熟であったならばその結果は言うまでもない。同じように、いくら優れた企業ポジショニング方針戦略商品に恵まれていても目的も分からず、使いこなせなかったならば、これまた宝の持ち腐れになる。
 道具は、使う人がその効用や性質を熟知して使ってはじめてその道具の使命が全うできるのだ。その時こそ道具はよく生かされ、同時に使う人もまたよく生かされる。経営の方針戦略組織はまさに時代社会に対応する道具そのものと言えよう。
 常々思う。いつも「何をするのか」の前に「何のために」という使命目的をしっかりと理解した時に、自分の果たす役割や自分のあるべき姿がはっきりと見えてくるのではないだろうか。

平成八年八月三十一日