思うままに No.169

2010.01.06

エッセー「思うままに」

※エッセー「思うままに」より ~毎月更新~

 明けましておめでとうございます。人は優れて意志と希望をもつ生き物だ。神様からいただいた、この偉大な力を信じよう。
 さて、いまほど企業の社会的責任=CSRがますます問われる時代はない。その責任の対象であるステークホルダーはお客さま、お取引先、株主さま、社員、地域社会だ。企業も人と同じように広く社会に棲むひとつの生き物だ。この生き物は自ずと互恵によって責任と役割のもとに生き生かされている。その意味で企業もいち市民であり、社会との共生を求められている。
 近年、株式市場において消費者、株主等は企業の社会性を注視するようになってきた。そのトレンドから企業の社会的責任を重視する投資手法=SRIがグローバルに広がっている。例えばSRIの国際基準となる国連の投資責任原則に署名した機関投資家の運用資産はこの頃では18兆ドルで東証一部時価総額の五倍強になるという。
 このSRIが最重要とするのは企業の利益の永続性だ。この絶対条件のもとに、企業が環境・社会との調和をはかっていくことで存続することを強く表している。それは水、緑、空気、食料、教育、エネルギーなどに寄与する社会貢献事業を指す。CSR、SRIはともに、企業が存続していくための社会的責任を示すものだ。
 そもそも企業それ自体は単なる容器であって無機物なものだ。そこに組織を構成する有機物なる人がいてこそ魂が入り社会活動をする。また組織人としての倫理観や責任感によってこの容器の中味はいかようにも変わっていく。企業活動は常にその理念にもとづいて正しく社会に貢献していく使命を担う。従ってその存続性には社会からそのその質の良し悪しを問われる。そこで当然のごとくたずさわる人は人ゆえに性善と性悪を併せもつことから、法令遵守(コンプライアンス)、内部統制、倫理綱領を行うべく企業統治(コーポレートガバナンス)が極めて重要だ。
 ステークホルダーのうち特にお客さまに対しては人として企業としてお客さまの視点、社会的視点が不可欠だ。自分の都合を手前勝手に優先し、お客さまを軽んじる、独り善がりの言動は企業の命とりになる。企業の社会的信用、評価を損なうにはたった一人の不心得者で十分こと足りる。この不心得ものは犯罪者に等しい。会社の敵、社会の敵だ。
 置き薬ほど地域社会に深く根ざし、人々の健康生活に密着する業はない。それが故に当社の事業はお客さまにもっとも近く、高い社会貢献性をもつCSRそのものなのだ。売上の一部を基に推進する「きずなアシスト」然り、私たちの仕事はこの上なく誇らしいのだ。
 このことをしっかりと肚に入れ、胸を張って私たちの使命を果たしていこう。正正堂堂と。