思うままに No.206
2013.01.31
※エッセー「思うままに」より ~毎月更新~
もしもし亀よ亀さんよ 世界のうちでお前ほど
歩みののろいものはない どうしてそんなにのろいのか
なんとおっしゃる兎さん そんならお前とかけくらべ
むこうの小山の麓まで どちらが先にかけつくか
どんなに亀がいそいでも どうせ晩までかかるだろう
ここらでちょっとひとねむり ぐうぐうぐうぐうぐうぐうぐう
これは寝すぎたしくじった ぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょんぴょん
あんまり遅い兎さん さっきの自慢はどうしたの
言うまでもなく結果は周知のとおり。兎はさも偉そうに亀を見下し、たかをくくった。そこに油断とおごりが生じる。この敗因のもとは勝負に対する兎の無目的、無目標、無計画に尽きる。一方の亀には侮辱されたが故に仲間の亀たちのためにも勝負に何としても勝たなければならない必死さがうかがえる。代表選手として使命と責任を一身に背負い存在とプライドをかけての目的=志による高いモチベーションをもつことになる。
勝つためにゴールまでの綿密な行動計画をたて果敢に実行に移す。おごり高ぶる、場当たりの兎と違ってきちっと戦いに勝つべくマネジメントをしたのだ。速いものが強いのではなく勝つものが強い。速さのポテンシャリティーよりも高いモチベーションが勝利をつかむ。
さて目標=志をもち続けることは、かけがえのない人生にとって最も大事なことだ。目的なきところにビジョンはないし有意義な人生などあろうはずもない。人は目指す目的をもってこそ日々挑戦することができるし頑張れる。
またその過程にあってほんとうのやりがいと自己成長を図ることができる。誰しもいい人生を願わない人はいない。ただ願うだけではそれは叶うべくもない。願いに加えて計画と実行が伴わなければすべて画餅に帰する。間違ってもおいそれと実現の方からすり寄っては来ない。自分の方から積極的能動的に、弛まない働きかけをしてこそ実現はその門戸を開いてくれる。
明確な目的=志をもち続け、それを目指すために具体的に一つひとつの目標計画をたて達成を重ね、積み上げていくその先に目的の実現へと近づく。近道などはない。道程は険しいが亀の志の如く一歩一歩愚直なまでに歩み続ける実行力ほど尊く強いものはない。
この童謡たまには口ずさんでみてはどうか。少しはためになると思うが。