思うままに No.200

2012.07.31

エッセー「思うままに」

※エッセー「思うままに」より ~毎月更新~

 今回で「思うままに」は200回目になる。自分みたいな無知・無精ものがよくここまで続けられたことを不思議に思う。日頃感じたこと学んだこと聞いてもらいたいことの一心からだと思っている。いつの日にかに終わりがくるであろうが、それまでは稚拙を顧みず筆を執り続けていこうといま思いを新たにしている。
 さて、人も組織もおおよそ異質を嫌うものだ。それを受け入れる側にとってはかなりのエネルギーを要するからだ。ところが異質の人にとってはそれ以上に周りにエネルギーを使うことを知っておく必要がある。一方同質の集団には現状のままの方が居心地よく安住できるということか。
 ところがこのエネルギーこそ活性化と変革を促して新たなるものを創出する。ウナギの稚魚シラスを輸送する際に敢えて水槽に天敵の魚を混入することによってシラスの生存率が驚くほどに高まるそうだ。このことは適度の危機感と緊張感がいかに有効であるかをさし示す。集団は同質の塊より適度の異質が混じる方が強くなる。さらに画一性より多様性の方が安定性を増し知恵も生まれる。ただし他から謙虚に学ぶ姿勢が大切なことは言うまでもない。
 同じようにまた人と組織は何となく変化を恐れるものだ。変化には新しいものを創出する一方で従来のものを失うことを意味する。変化が必ずしも新しい可能性を担保するものではないから、ひっきょう現状を保持したくなるということか。
 いま環境は変化が著しい、内なる変化に対応できなければ外なる変化への対応はむずかしい、また変化することよりも変化しないことの方がずっとリスクは大きい、変化は間違いなく進化への起点になる。
 このところ流通業は生き残りをかけ競って宅配(訪販)を導入する時代になった。これまでのお客様を集めるから、これからは、お客様にいかに近づくことができるかが重要なテーマになってきた。お客様の要望を座して待つのではなく、こちらからお客様のもとへ出向くことで利便性と継続性を武器に親密度、信頼度、満足度を高めていこうということだ。言わば昔からある御用聞きだ、その意味で配置業はその最たるものだ。
 WEB、DM、チラシ、CM等も有用だが、FACE to FACE のふれあいによる優位性、有用性はうんと高い。無機質なデジタル社会にあって、顔が見える、心が伝わるアナログの価値は将来ますます大きくなる。改めて配置業は優位な立ち位置にあることをよく認識しておこう。