「スリランカ」と聞いて何を想像するだろうか?「紅茶」「カレー」・・・恥ずかしながら、これしか思いつかなかった。「きずなASSIST」の一環としてAHIスタディツアーでスリランカに行くことが決まり事前準備会でスリランカの「歴史」「政治」「宗教」「教育」「生活」などを学習し、今まで知らなかった(考えようともしなかった)スリランカの現状を少し知ることができ、自分の目で確かめたくなった。反面、大変な国に行くんだと大きな不安感にも包まれた。
日本からバンコク(タイ)を経由し、長時間のフライトとトランジットでの長時間の待ち時間で夜中、コロンボ(スリランカ)の空港に到着した時にはすでにくたくただった。入国審査で長蛇の列。入国審査係員が交代の時間なのか、「別の列に並べ」とのこと。仕方なく並び直すとどうやらPCが故障したらしく、またまた別の列に・・・「たいへんな旅になりそうだ・・・」と思い知らされた。
ただ、空港を出たところは香辛料の香りを想像していたのに、しょうゆ?まるで肉じゃがを煮ているような香りが漂っていて、少し驚いたと同時に何かほっとした。空港から車で約30分の現地の受け入れ団体「NAFSO」の研修施設に到着し、もちろん水しか出ないシャワーを軽く浴び、ベッドに横になれたのは明け方3時頃だった。
翌朝、簡単な朝食をいただき最初のホームステイに出かけるための荷物を準備し、今後のスケジュールなどのオリエンテーションを行う。ここから日本語→英語→シンハラ語への2回の通訳によるコミュニケーションがスタートした。今回お世話になった現地団体NAFSO(National
Fisheries Solidarity
Movement)は現地の住民たちの食・人権・ジェンダー・平和・少数民族・環境などを活動領域とし、住民の為の研修等も実施している。
オリエンテーション終了後、昼食として初めてのスリランカ料理をいただき、最初のホームステイ先であるポルピティガマへ約4時間かけて移動。夕方に到着すると、ウェルカムダンスとホストファミリーの方々によるウェルカムパーティが開かれた。
ホームステイ先の部屋に案内され、とりあえずシャワーを借りる。シャワーは屋外にあり、簡単にブロックを積んだ囲いがあるだけで、電気もない。もちろんお湯は出ない。暗闇の中、月明かりで冷たいシャワーを浴びる。トイレももちろん屋外(電気・扉なし)水、ジュース、お菓子、ご飯・・・次々出してくれるが食べきれない。
初日なので歓迎の意味もあるのかと思っていたが、これがスリランカスタイルのようで、この後もどこに行っても食べきれないほどの食事が次々出てくる。また想像通り、紅茶も都度出していただいたが、この上なく甘く、この砂糖・ミルクたっぷりの紅茶が今後、私達を悩ますことになる。「ノンシュガー」と言っても通じないのだ。
翌朝早く起床。テレビから大音量でお経が聞こえてきた。このお宅は仏教徒で毎朝、お花・お水・お線香などをお供えしお祈りする。この家族のおかげでスリランカ人の印象がガラッと変わった。自分が無知だった為、少し怖いイメージがあったが、実際はみんなとても優しくいつもニコニコし、本当の家族のように接してくれた。この後会ったどのスリランカ人も(道行く人も)、目が合うと必ずニコニコし手を振ってくれた。
このお宅には3泊お世話になったが、3日目には当初抱いていた不安はすっかり消えていた。最後の日はケーキやプレゼントを用意してくれており、「あなたの事はファミリーだと思っている」と言ってもらったことが何よりのプレゼントで一生忘れることができない「感謝」という一言では言い表すことができない3日間を過ごさせていただいた。
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