マングローブの植樹活動で訪れた場所は、ベトナム戦争時の枯葉剤により、壊滅状態に追い込まれた地には思えなかったというのが率直な感想です。戦後、壊滅状態だった大地を、たった30〜40年で緑一面の状態にしたのは、多くの人々の弛まぬ努力があったのだと容易に想像できました。
実際に作業を行ってみて、その努力は困難の連続であっただろうと感じました。
その要因は厳しい気候・風土条件で、これが植樹活動の作業を遮り、困難なものにすることを身をもって体験しました。こうした作業を通して、自然の厳しさや大切さを直に学ぶことができました。
また今回は、以前植樹したマングローブを見る機会があり、成長したマングローブを目にした時は本当に感慨深かったです。なぜなら、いつか自分の植樹したマングローブが立派に育っていき、何らかの形で環境に貢献していることが想像できたからです。
この経験は、環境保全に対する困難さや重要さを改めて考えさせられるだけでなく、「環境への愛着心」に気づくことのできる出来事でした。
また、今回ベトナムへ行き、その生活にふれて感じたこともあります。
それは「生きることの力強さ」です。
ベトナムでは、未だ一人当たりのGDPが552米ドル(2005年IMF資料)という水準です。それゆえに、すでに子供たちにも生きるための力強さが備わっていました。その姿を目の当たりにして、自分自身を振り返ることができ、もっと生きることに必死でなければいけないとも考えさせられました。 |