現地NGOの人は言う。
もともとスリランカという国は、貧しい国である。
津波の被害を受け、各国からの助けがものすごく入ったが、
まだまだ貧しい漁民たちは問題を抱えている。
まず第一に、住む家がない。
もちろん、お金がないこともあるのだが、 津波が来ると危ないからという理由で政府が打ち出した、海岸200メートル以内に家を建ててはいけないという規制「200Mバッファゾーン」も新たな問題を生んでいる。
なぜなら、漁民は海の近くの家でないと仕事にならないからだ。
二つ目は、働きたくても働けないという現実。
漁民たちは仕事をしたくても、船や仕事の道具がなくなってしまったため、仕事ができなくなってしまった。
三つ目は、津波に対する防災教育の遅れ。
津波がどうして起こるのか?
今度来たらどうするのか?
災害時における対処法などの防災教育の遅れにより、復旧もまた遅れている。
しかし、一番大事な問題は、援助をした国々、日本も含めた先進国が、政府を変えてしまったこと。
政府は、貧しい人を助けるのではなく、 国のためにそのお金を使っている。
例えば、高速道路を造ったり、 観光のための施設、ホテルなどを造ったり。
政府は住民のためというが、本当に必要なものと全然違うことにお金が使われているような気がする。
お金をあげることは簡単でいいように思えるが、
実は、無責任なことでもある。
使い道はわからない。
きちんと使われるのかもわからない。
お金は使い道ひとつで、いろいろなこと、いろいろな人を変えてしまうからだ。
災害の地を訪問し、いろいろな人に出会い、自分のこと、発展途上の国の人のこと、日本のことを考えさせられた。
お金では買えないとても貴重な体験をさせていただいたと思う 。
お金の援助はもちろん必要だと思うが、実際に目で見て、真実を伝えること。
これからどうするか。何をしなければならないのか。
それを一緒に考えたりすることが、何より大事であると思った。
未来を担う子供たちには、被災という辛い経験を糧として、明るく前向きに考えてほしい。
そして、たくさん学んで明るい国づくり、世界づくりに協力していただきたい。
日本も人ごとではない。
このような子供たちがいること。このような国があるということを知り、自分たちの置かれている環境を考え、自分たちに何ができるかを考えて、これからを生きていきたい。
そして、少しでも誰かの役に立てば、何かの役に立てればと私は願う。 |