■事前学習による不安〜インド到着
会社の社会貢献活動の一環としてAHIスタディインドツアーに参加した。アジアの中でも成長著しいインド。始めの印象は「カレー」「牛」ぐらいだった。それが事前学習でインドの文化、慣習、宗教等を学ぶにつれ本当に大変な所に行くんだという不安しかなかった。
長いフライトを終え降り立つと深夜にかかわらず異様な熱気。そしてスパイシーな匂い。日本人珍しさに群がるインドの人々。初めてのインドの空気に触れ不安に駆られる。日本とは全く違うところに来たんだと改めて実感した。
■アニトラ・トラスト(環境NGO)
インド滞在二日目はインドのNGO団体が支援しているスラム訪問。貧しいイメージしかないが見学してびっくり。住んでいる場所こそ小さいが家電は充実している。中には内装工事している最中の家もみせてもらった。定職に就くことでどんどん暮らしはよくなっているという。運よく定職に就けた人たちはいいが、定職に就くことができない人たちの多くは日雇い労働者だ。スラムの中でも格差は生まれていると思った。
子供たちはみんな素足で衛生的に悪い道を走りまわっている。だが、みんな笑顔で明るい。教育を受けて知識をつけ定職に就くことがスラムから脱出する近道なのだという。だから大人はみんな子供の教育には熱心だ。インドでは10年の義務教育は無料で受けることができる。
■アニトラ・トラスト(環境NGO)〜ディナバンドゥー村〜
二日目深夜にチェンナイから車で3〜4時間郊外の村にやってきた。アニトラ・トラストの原点である研修施設に到着。ここは普段アニトラ・トラストがスタッフを育成している施設でその育成の中心はダリット(抑圧された物)の人権問題の改善をおもな目的にしている。本当に医療を必要としている貧しい人たちはお金がないから病院に行けないこと。なぜ貧困のままなのかというと人間を生まれた階層で分けるという制度的差別が残っているということ。その差別に立ち向かうために、誇りを持って健康に暮らせるように活動しているという。
入口の壁にはダリットの人たちが集まって研修している様子をおさめた写真が並んでいた。活動は1982年以降AHIと協力して南アジアのNGOワーカーの研修活動にあたり、これまで320名あまりのワーカーを育てている。この活動を少ないながら支える「きずなASSIST」を続けていく必要性を実感した。
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