会社の社会貢献活動の一環として、南インドのタミルナドゥ州への10日間のスタディーツアーに参加した。事前研修会でインドについての勉強をしたが、トイレットペーパーは持参で生水は飲んではいけない、また身分差別もあり「大丈夫かな?」と不安に思う部分と、本当にインドに行くんだ、という楽しみな部分がありドキドキしていた。特にカースト制については元々知っている部分もあったが、実際に目の当たりにするとは思わなかった。
夕方に日本を発ち、日付が変わる頃にインドに到着。強烈な暑さと匂い!始めてのインドの空気に触れ、少し不快に感じながらも非日常な世界にわくわくしていた。時間も遅い為その日は宿泊施設に着いて寝るだけだった。
翌日スラムへ訪問、家の中にも入らせて頂いた。大きな道路より低い位置にあり、広場では子ども達が遊んでいたり、水汲みをしている子ども達もいた。スラムというのは自分のイメージ通りの所で、貧しい暮らし、大変な暮らしをしているのは容易に想像できたが、子ども達の目は輝いていてとても豊かな表情だったのが印象に残った。
二泊三日のホームステイが始まった。トイレも風呂もないゴザを敷いて寝るという、今の日本では考えられない生活に最初は戸惑うばかり。しかし家族の人たちは本当に私に良くして下さり、楽しそうに嬉しそうに接してくれる事がとても心地良く感じた。日本は今では「おもてなしの国」と言われているが、それに負けないようなおもてなしをして頂き本当にビックリした。
「疲れてないか」「お腹はへってないか」「眠くはないか」言葉はうまく通じない事が多かったが“気遣い”という相手を思いやる気持ちはすごく伝わってきた。日本にも負けない“おもてなしの心”が確かにあり、とても温かい気持ちになった。
翌朝6時半に目を覚ますと、近所の人も含め全員起きていて掃除をしていた。外に出てみると隣の家の人が地面にチョークで絵を描いていた。聞いてみると毎日描いているそうで、掃除とあわせ日課になっているとの事だった。
その日は近くを散歩して寺院巡り。インドはとても信仰の深い国であちらこちらに寺院があり、どこに行っても現地の方々がお参りに来ていた。日本とは違うゆっくりした時間の過ごし方が有意義に感じて、自分の価値観が少し変わったような気がする。この二泊三日のホームステイでは色んな事を感じ、色んな事を学んだ。今の日本でも活かす事ができる多くの大きな学びで、非常に良い経験となった。
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