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【豊川営業所】 小林成禄
その3 ホームステイ〜まとめ

■ホームステイ

 

アニトラのホームステイ先であるMrs. Kokilaのお宅(写真左)と、ARPのホームステイ先であるMr. Baskarのお宅(写真右)。住まいの違いは明らかだ。家族構成や職業による経済格差も当然あると思うが、なにより大きな理由は、2つの団体による支援の方法にあるのではないかと思う。

アニトラもARPも目指すものは「差別のない世界」と一緒であるが、そこに辿り着くまでのプロセスに違いがある。アニトラがカースト制度の中で差別をなくそうとするのに対して、ARPはカースト制度を撤廃することで差別をなくそうとしている。この差が重要で、インドではカースト制度内のダリットに対して政府は優遇措置を行っているが、改宗などをしてカースト制度から外れると優遇措置が受けられない。そのため、出費が増加することになり家計を圧迫するのである。優遇措置を受けられなくなることが分かっていても、改宗する人々がいる背景には根強い差別があり、金銭的な幸福よりも、精神的な幸福を求める人々が改宗しているように感じた。



ARPでのホストファミリーMr. Baskarの家族。彼らはクリスチャンであり、優遇措置の対象外となる。もちろん金銭的にはとても貧しく、彼の家にはTVもトイレもシャワーもない。夫婦で稼ぐ賃金は月に6000円程度で、食費、医療費、光熱費を払うと何も残らないという。それでも、今回私を受け入れてくれて、多くの時間を一緒に過ごしてくれた。

その中で最も印象に残った彼の言葉が、「自分たちは生活を変えられない。でも差別を感じない分だけ昔より幸せなのだ」というものだった。私とは明らかに違う幸福観念。私にはない優しさ。そして村人たちの助け合いの精神。2泊3日のホームステイでは彼らのすべてを理解することなど到底できなかったが、彼らは私たち日本人が失った多くのもの持っている。こんな時代だからこそ、彼らから学ぶべきことは多いのではないだろうか。

■まとめ

今回のツアーで最も興味深かったことは、やはり貧困問題である。中京医薬品が行っている「きずなASSIST活動」のテーマでもある、「世界の子供たちに健康と教育を」にも直結する問題であり、世界的に見ても無視できない重要な問題だと思う。私たちが訪れたアニトラはガンジー主義(非暴力・非服従)、ARPはアンベドガル主義(カースト差別の禁止・地位向上・宗教改宗)とそれぞれアプローチの仕方は異なるが、目指すものは同じ貧困問題の解決と差別の解消である。

 

日本の私たちの家には、清潔な水や電気が送られ、家の中には風呂とトイレがあることが当たり前のように生活をしているが、世界的に見ればとても恵まれたことだと気づく。訪問した村でも家の外で料理をして食器を洗い、とても清潔とは言えない川で洗濯をする。これが彼らの日常なのだ。数年前までは、村はずれに女性や子供のための公衆トイレ兼水浴び場というのが存在していたらしい。徹底した男尊女卑、カーストの階級による差別、そして貧困。これが実際にインドに行って、自分の目でみたインドの姿であった。

 

短い期間ではあったが、彼らと共に過ごし話をした中で感じたのは、産まれたときから現在も続く貧困と差別の影響からくる自信の欠如と将来への絶望感、「自分たちは変われない」という固定観念。いくら周りが努力しても、自身が変われないと思っている人々を変えることはできない。

アニトラやARPのような団体や多くの先進諸国が、彼らの生活を改善しようと資金提供や技術提供など様々なアプローチをしている。これらの活動は今後も継続的に行っていく必要はあるが、彼らに本当に必要なことは、「未来に対して希望をもつための支援」なのではないだろうか。

今回このような有意義な経験ができたことに心から感謝したい。

   
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