第6日: 塩田での植林作業。以前はマングローブの森であったところを、木を伐採してエビの養殖池として使用していたが、使われなくなってそのままにしてある養殖池の跡地があちらこちらにある。植林の作業はスコップを使って40cm四方の穴を掘り、そこに肥料とマングローブの苗木を植えるのだが、地面が粘土質でスコップに強力に張り付き、穴を掘るだけでも大変な作業だった。ベトナム学生と一緒になって植えたマングローブの本数は少なく、まだ苗木だったが。数年後に今植えた苗木が立派なマングローブの森になると思うと、このまま一所懸命育って欲しいと思うと同時に、日本人とベトナム人が力を合わせ一つのことをするということに対し、とても感動し良い経験になった。
第7日: 植林作業を行ったカンザー地区と別れ、ホーチミン市に帰る日。途中に寄宿学校に寄り、子供たちとの交流をする機会を持った。日本から折り紙や、けん玉、書道の道具を持っていき、地元の子供たちとサッカーをしたり、昼食にカレーを作ったりもした。日本のおもちゃにも興味津々で、言葉は通じなくても、無邪気な笑顔は日本の子供と同じだと感じた。
第8日: ベトナムの学生と一緒にホーチミン市の観光に出かけた。そこで衝撃だったのが戦争博物館に訪問したときであった。ベトナム戦争で使われた枯葉剤の影響で生まれた厳しい障がいを持った子供たちの写真などが多く展示されていた。改めて戦争の愚かさを思い、自分が健康に生まれてきたことへの感謝の念が湧きあがってきた。
第9日: 自由行動でベトナム学生と一緒に土産物を買いに行った。市場では、日本人だと値段が高くなるからと、ベトナム学生の子が一人で買いに行ってくれた。この研修で思ったことは、ベトナムの子は、みな優しくて真面目だということ。多くが地方から出てきてホーチミン市で下宿、自炊をして家に帰っても勉強をし、あまり遊びに行くこともないと聞いた。そして将来の夢や希望のために頑張っている。そのことを聞いたとき、果たして自分はどうかと思った。恵まれた日本の環境に甘えているのではないかと。
ベトナム人は、生活は日本と比べて貧しくても、街の物売りの子や学生たちも活気があり楽しそうで、日本より心の豊かさを感じた。今の日本は物に溢れ生活は豊かでも、人と人とのつながりや心の交流といった豊かさを失いつつあるように思った。
第10日: 行く前は長く感じていた10日間の研修もあっという間に終わってしまった。ベトナム学生は空港まで見送りに来てくれ、一緒に過ごした時間は短くても、植林を通して国も言葉も文化も違う我々が一つになれたような気がした。
今回、ボランティア研修ということで普通の旅行ではできない事ばかり経験させて頂きありがとうございました。この研修で学んだことを、自分の宝物として、また多くの人にもきずなASSIST活動を伝えていきたいと思います。
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