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CSR(社会的責任)

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社会・環境活動報告

きずなASSIST

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きずなASSISTの歩み活動原資はお客様活動内容活動記録実録!海外レポート
【商品企画課】 鷹巣孝一
その1 南インド・タミルノナド州で活動する農村支援団体との出会い
親から子へ受け継がれつづける“人”の身分。
どんなに願っても、職業さえ変えることができないという悲しい現実。
それが、インド・ヒンドゥー教「カースト」の実態。

■1日目/日本とは違う国々

飛行機からの大地
インドに向かう飛行機から、フィリピンの大地が見えた。その大地は、日本でみたそれと同じで、ごつごつとして無機質で、人が住んでいると思われるところは白く色が変わっていた。

どこの国も、遥か上空から見れば同じ大地に見える。そこに住む人も建物も小さすぎて近くに寄らないと見ることはできない。 これから訪れるインドもそう。国や人が違っても、その大地はどこも同じだ。

インド到着
インド到着“第一歩”の印象は、騒々しさと、異臭とで、不慣れな日本 人にとっては苛酷なものと感じた。

南インドでも大きな空港である「チェンナイ空港」に到着して早々、私たちは何とも言えない独特の臭いに包まれた。日本の空港や、途中で寄ったシンガポールの空港とは違い、よく言えば生活感のある、悪く言えば清潔感が薄い・・・という雰囲気。手入れされていないであ ろう窓や床を見て、衛生レベルというか、清潔さに対する意識レベルと いうか、それとも、これが“当たり前の環境”なのだろうか・・・。

空港の外に出ると、車のクラクションの音でいっぱいだった。それらの車は空港の狭い駐車場を列を成して進んでいるのだが、特に大きな危険があるわけでも、渋滞でなかなか進まないわけでもないのに、なぜかクラクションをけたたましく鳴らしまくっていた。どうやらインドではクラクションを鳴らすことに抵抗がないらしい。これはインドにいる間中、どこに行っても同じだった。

インドに到着して早々、私たちは「ARP(Association for Rural Poor)研修センター」の人々に出迎えられた、彼らが用意してくれたバスで、ARP研修センターに向かう。バスは、中も外も決して「きれい」ではない。窓はうっすらと汚れており、私の目の前の席はひじ掛けが壊れていた。乗るのに支障はないが、日本ではまず考えられない。だが、インドに詳しい他の参加者の話では「このバスは窓があるからインドでは良いバスだ。普通は窓がなくて格子がはまっている」という。

また、走り出してからはものすごく揺れた。そして、窓の外からは強烈な排気ガスの臭いが入ってきた。時には、排気ガスに混じって腐乱臭も入ってくる。後から分かったが、これは路上に溜まった生ゴミから発せられているものだ。慣れないうちは、これらの臭いで気分が悪くなることもあった。だが、これも他の地域(特にデリー)に比べたら良い方らしい。

道路を走るほかの車は、車線を半分無視して好きなところを走っていた。そして、前にいる車に対して、「自分はここにいる」と主張するだけのためにクラクションを鳴らしまくり、追い抜いていく。ウインカー代わりにクラクションを使い、ウインカーがカチカチ鳴るのと同じだけクラクションも鳴らしているようだ。

ARP(Association for Rural Poor)研修センター到着
研修センターに着くと、大勢の子供たちが出迎えてくれた。恥ずかしそうに「Good morning. Nice to meet you!」と一人ひとり挨拶をしてくれた。どうやらそうやって挨拶するように教えられたようだ。夜中なのに「morning」とは、たぶん講師が間違えているのだろう。いや、AM 1:00だからmorningでよいのだろうか?子供たちに“微笑ましさ”さえ、感じられる。

全員が挨拶を終えると、私たちはそれぞれ部屋に通され、床についた。インドでも、子供たちの笑顔や、ベッドの形、そして夜空の星は同じだった。


■2日目/インドでの始めの一日、ASPにて

朝の風景
ARP研修センターでの朝は、穏やかだった。子供たちは朝早くから起きて、建物の入り口になにやら模様を書いている。インドの魔除けのようだ。手馴れた様子でチョークを器用に扱い、狂いのない綺麗な模様を易々と書き上げる。まるで、コンピューターで描いたように正確だった。

子供たちは恥ずかしがりながらも、私たちとお喋りがしたそうだった。試しにカメラを向けてみると、余計に恥ずかしそうにしながらも、すごく嬉しそうな笑顔を浮かべる。実際に撮ってみると、飛ぶように近寄ってきて、すぐさま写真写りチェック。カメラの中の自分をみて、またさらに歓喜していた。この後、撮って撮ってとせがむ子供たちに揉みくちゃにされたのは言うまでもない。

ヒンドゥーから脱して、キリスト教へ その後、子供たちは食事の前に朝の礼拝をした。ここ「ARP」はキリスト教を信仰している。通常、インドではほとんどがヒンドゥー教なのだが、彼らはあえてキリスト教に改宗した。 それはすべて、ヒンドゥー教の差別から逃れるためだ。ヒンドゥー教には「カースト」という身分制度がある。カーストには3000、4000もの階級があり、それぞれに職業と上下関係が決められ、死ぬまで変わることがない。どんなに願っても、自分の職業を変えることができないのだ。しかも、結婚相手も同じカーストでなければならない。下位カーストの者には、これを苦に自殺する者も少なくないという。これが【カースト】の中で暮らす人々の現実なのだろうか・・・。

ARPの彼らは、このカーストから逃れるために、ヒンドゥー教を捨ててキリスト教に改宗した。そして自らを「カーストに縛られない者」=「ダリットdalit」と名乗っている。

子供たちが、そんな自分たちの境遇を知っているのかいないのか分からなかったが、いずれは知ることになるだろう。その時、彼らはきっと、社会と戦うことになるに違いない。

やさしい食事
食事は特に驚くことも、辛さに苦しむこともなく、無事に済んだ。どうやら、ARPの方々の配慮で、日本人が食べやすいものを揃えてくれたようだ。面白い体験ができず少し残念だったが、辛い物を食べて胃腸を壊すよりは良かったかもしれない。

●ARP(Association for Rural Poor)とは
20くらいの農村を対象に活動している「農村貧困者のための協会」。「dalit」という、カーストから逃れてキリスト教になった人たちが中心で、各農村の牧師さんたちが協力してかつどうを 行っている。ARPの本部には、子どもの教育施設(小さな学校のような)、裁縫教室があります。
   
南インドに向かう飛行機から見たフィリピンの大地


深夜の到着にも笑顔で出迎えてくれるARP研修センターの子供たち



質素ながらぬくもりを感じるARP研修センターの宿泊室



子供たちが描いた幾何学的な模様。インドの魔よけの一種だとか



模様の描かれた広場に集い、朝食前に礼拝が行われる



カーストから逃れるため、キリスト教に改宗する人が多い



ARP研修センターの朝食。あたたかい心づかいに感謝して



   
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