〈7日目〉2009年8月22日
無事植林作業が終わり一つ大きな仕事が終わった気持ちになった。カンザーのホテルも初めは抵抗があったが、環境にも慣れ始めたこの頃にカンザーともお別れし、ホーチミンの市内へ戻らなければならない。
この日はベトナムの子供たちとの交流の機会を持った。離島出身の子供や親のいない子供たちが、学校で生活している寄宿舎を訪問。お昼にはベトナムの大学生と一緒にカレーを作り、子供たちと一緒に全員で食べ、ひとときの食事の時間を共にした。
カレーを作っている間、子供たちと一緒に遊んだ。言葉は通じないが、シャボン玉や折り紙、縄跳びや追いかけっこをして、すぐに打ち解け合えた。中にはおんぶや肩車などをおねだりする子もおり、どうやら楽しい事には積極的に集まるようで、ベトナムでも日本でも子供はみな同じと感じた。
言葉は通じなくても交流はできる。親がいないとか貧しいとか、いろんな事情はあるけれど、楽しい事を全力でやる子供たちを見て、元気や純粋な心、また前向きな心を感じ、自分が子供たちから教えられた気がする。
ふれあいの時間を過ごした後、寄宿舎を離れ、ホーチミン市内に戻った。ホーチミンでは小さな女の子が物売りをしていた光景を良く目にする。生活するのに必死で、満足に学校にも行けないとのことである。学校に行ける寄宿舎の子供たちは、まだ恵まれているとのことであった。当社の「きずなASSIST」の活動が、こういった子供たちにどうか届いてほしいと願いながらも、はたして「自分に何ができるのか」を思い悩んだ。
〈8日目〉2009年8月23日
今日はベトナムの大学生が私たちのために現地を案内してくれた。自分たちでプランをたて、中央郵便局やスペイン植民地時代に建てられた建造物、大統領官邸などを案内してくれた。ただ案内してくれるだけでなく何年に建てられたとか特徴を調べて、事前に原稿用紙に日本語で漢字を使って書いて調べてあり、用紙を見ながら一生懸命案内してくれた事に感心した。
中でもベトナム戦争博物館は衝撃的だった。必死に前向きに生きる姿をみて感動した。改めて世界が平和であってほしい。平和や環境・子供たちを守ること、ベトナムに来て植林をして子供たちと交流した体験を通してその思いはより強くなり、交流を通して得られた事は自分を成長させるものとなった。
そしてこの日の夜、ベトナムの大学生ともお別れ。植林という一つの「作業」を通して交流した仲間たちとは短い期間ではあったが、深い絆で結ばれた。日本の学生は歌を披露し、ベトナムの学生は踊りを披露し、最後には全員で踊り全員がひとつになった。初めてあったのは数日前なのに話はいつまでたっても尽きることはなく、こんなに別れが惜しいとは思っていなかった。
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