コロンボから車で約5時間、ダンブッラ近郊にある山間の小さな農村。街のスラムとは、180度異なる景色である。自然に満ち溢れ、川・湖には生き物が生息している。そして、ここでもNCFの活動・プレマシリ氏が【活きている】のである。農村にコミュニティセンター(集会所)を作るよう働きかけたり、道路を作って車が通れるよう、村人たちの手によって整備もされた。彼らの家の多くはからぶき屋根で、家というより小屋に近い建物である。その隣にはレンガを積み上げ基礎とした、【改築工事中】の家も数多く存在している。それら改築中の家には、コロンボ近郊のスラム地域とは異なる共通点があった。
「どうして、屋根も壁もレンガ造りなの?暑くないの?」とたずねると、村人はこう言った。
「野生の象が、食べ物を求めて村にやって来るんだ。からぶき屋根や木の壁だと、すぐに壊されてしまい、それで命を落としたり、ケガをする村人も少なくないんだ。レンガ造りの家にするのも、プレマシリさんのアドバイスのおかげだよ」
樹木の高い位置のいたるところに【見張り小屋】が設置してあり、象が来たとき、声を出し合って危険を知らせ合い、また見張り番役の“居眠り防止”にもなるのだという。
「あんな大きな象や、自然には勝てないよねぇ〜」と、弱音を言ったプレマシリ氏・・・。
偉人と思える彼の 【人間的な部分】をみた一瞬であり、また一段と彼が【大きく】思える瞬間でもあった。プレマシリ氏の趣味は、【自分達(NCF)の活動をすること。そして一生懸命頑張ること】である。
私たちは、10泊11日の、長いようで短かったスタディーツアーをNCFスタッフ、プレマシリ氏と共にしてきた。コロンボ近郊のスラム地域を見て、その「悲惨さ」を感じ、反面、地域住民や村人たちの「力強さ」を知り、また、その「力の源」がプレマシリ氏を会長とする【NCF】 や【CBO】の活動であることを知った。
私たちにできることは何だろう・・・
単なる物資の支援は、“宝石の無い、宝石箱”となってしまうだろう。
プレマシリ氏は、こう言っていた。“資材ばかりでなく、心の支援も必要である”・・・と。遠く離れた日本で、私は思う。【スラム地域に必死で生活している現実の彼らのことを伝えよう、そして、スラム地域住民が抱える様々な環境問題、自立・人財支援を行っているNCF、CBOの活動のことを伝えよう・・・一人でも多くの人達へ・・・】
そしていつの日か、また、スリランカを訪れたい。今よりもさらに【光輝く島】となっていることを期待して・・・。
|