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CSR(社会的責任)

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社会・環境活動報告

きずなASSIST

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きずなASSISTの歩み活動原資はお客様活動内容活動記録実録!海外レポート
コミュニティーを通して見えてきた村づくりの活動

1979年に、スリランカで最初に住宅プロジェクトを手掛けた、キリラポレという小さな村を視察した。 現地では【村づくり委員会】のメンバーの方々と、コミュニティセンター(集会所)でミーティングを行った。

 「この村も、最初は荒れ果てていて、家も、ビニールや木板で打ちつけたものだったんだ。ユニセフとか、 セーブ・ザ・チルドレン(NGO)の支援を受け、住宅プロジェクトを始めたんだ。今私たちがいるこの建物も、技術支援を受けて、村人たちで建てたんだよ」

老朽化こそしているものの、立派な建物である。土地所有権の質問をしてみる。
「ここの土地は、政府から貰った。でも、所有権は無いんだ・・・。市役所から出て行けと言われれば、出ていかざるを得ない。でもまた、土地は貰えるだろう・・・。繰り返しになってしまうんだよ」

別のメンバーが、矢継ぎ早に口を挟む。
「スリランカという国は、貧しい人達には、何もしてくれない国なんだ!だから、自分たちでやるんだ!」

今まで見てきたスラム地域とは全く異なり、家屋、小さな公園、電気、水道、道路、ゴミ集積所・・・どれも綺麗に整備されている。しかしまたここも、【スラム】なのである。
「先輩から私たちへ、私たちから、将来を担う子供たちへ。【村づくり】のための努力と行動を、しっかり伝えていきたい。それが大切であり、守ってきたこと。だからこそ、成功したんだと思う。今は、土地所有権を得るために、プレマシリさんたちと相談しながら、頑張っているんだよ。所有権が無いと、良い学校にも行けないし、全く信用されないから・・・。これがスリランカという国のやり方だから・・・」
彼らの努力や行動は、“村”として形となっている。1人の【村づくり委員会】のメンバーが言った。
「あなたたちが今通って来た道・・・。私たちが、石を1個ずつ拾って作り上げた道なんですよ」
研修参加者全員、歩いてきた道を振り返り、見入ってしまった。プレマシリ氏たちNCFの活動は、子供会、婦人会、女性銀行※1の発足等々、居住環境問題だけでなく幅広い。

【子供会】では、将来、子供たちが非行に走らず、将来、自分たちで“やり遂げる力”を養うために、自立・人財教育を行っている。【自らがテーマを考え、発表する】という内容だ。子供たちは、みんな生き生きした眼をしている。 【子供会、大好き!とっても楽しいよ!!】私たちの歓迎会が始まる。踊りを踊ってくれる子供、歌を歌ってくれる子供、照れ笑いしながら披露してくれる。ちょっと間違えて、残念そうな表情をする子供も・・・。でも、みんな無邪気で子供らしく、とても可愛い。
「子供たちはここで経験し教わったことを、次の子供たちに教えるために、大人になってまた戻ってくるんだよ。僕もそうだから」と、NCFスタッフの一人が言う。
彼は【教えられる喜び・大切さ】を知り、現在、小学校の先生をやっているのだ。その彼ももちろん、みんなの前で踊りを披露してくれた。私たちもお返しに、【アブラハムの子】を披露し、子供たちと一緒に踊り、笑った。

【婦人会】では、「夫は、外で仕事をし、収入を得ている。みんなも何か身に付くことをやってみたら?」とのプレマシリ氏の提案から、みんなで検討し、手工芸を始めることを決めた。当初は民芸品を作っていた。大きなホテルからオファーがあり提供していたが、商品の【製造・販売元】がホテル名になっていたため、その後、民芸品づくりを止めてしまったという。なぜなら、作っても盗作として見られてしまうからだ。現在は、刺繍をあしらったカードを製作・販売している。(日本からも、100枚/200枚単位で注文が来るとのこと) 【カード1枚作成費用】台紙代21ルピー、布代2ルピー、刺繍糸代10ルピー  合計33ルピー【カード1枚販売額】60ルピー 【利益】27ルピー(日本円換算 約30円)
「苦難もあったが、今では主人の収入が落ちたときのために、手に職を付けることができたし、生活の足しにもなるし・・・。婦人会を作るきっかけをくれたプレマシリさんには、本当に感謝しています」
「今は、5名しかメンバーがいないけれど、もっと人数を増やして、いろいろなことをやってみたい」
彼女たちもまた、自立することの大切さを知り、夢や希望を追っている。私たちツアー参加者全員、刺繍カードをその場で注文していた。 “頑張ってね”の意味を込めて・・・。


こうしたビジネスを実現できた背景には、NCFの活動を良く知るセリンカBKが「自分たちの収入になることを始めたら?仕事をするなら、運用資金を貸してあげるよ」というきっかけをくれたことにあった。地域住民に声を掛け、仕事内容を決めてから、10,000ルピーを借りた。当初のメンバーは50名であった。1年以内の返済で、毎週260ルピーずつ返済していき、利子を含む合計返済額は、約12,600ルピーとなる。完済すれば、次は20,000ルピー、30,000ルピーと借入金も増額し、今は40,000ルピーを借りて、返済中である。
彼女たちは、ココナッツやインディアッパー(麺の一種)を売ったり、スリーウェイ(三輪バイクに似た乗り物)を修理するためのガレージを貸したりして、収入を得、返済している。

 「10,000ルピー借りて、12,600ルピー返済するのはもったいないから、自分たちで【女性銀行※1】のような組織を作れるといいなぁ」
彼女たちの笑顔に、不安は感じられない。期待と希望に満ち溢れていた。


※1 女性銀行とは、上記の例のように、普通に資金を借りようとすると20%程の利子をとられてしまうことが多いので、NGO団体が立ち上げた、女性を対象とした組織。
例えば、毎週5ルピー(約5.5円)ずつ積み立てを行い、お金が必要なときに低利子(1%)で銀行から借りるという貸付制度をもつ。最初の限度額は500ルピー程度だが、長く続けていけば、借りられる額も多くなる仕組みである。この銀行はスリランカ中に約150の支店があり、津波被災後にはハバラドゥーワ地区のいくつかの村でも始まった。

   
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