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こうしたビジネスを実現できた背景には、NCFの活動を良く知るセリンカBKが「自分たちの収入になることを始めたら?仕事をするなら、運用資金を貸してあげるよ」というきっかけをくれたことにあった。地域住民に声を掛け、仕事内容を決めてから、10,000ルピーを借りた。当初のメンバーは50名であった。1年以内の返済で、毎週260ルピーずつ返済していき、利子を含む合計返済額は、約12,600ルピーとなる。完済すれば、次は20,000ルピー、30,000ルピーと借入金も増額し、今は40,000ルピーを借りて、返済中である。
彼女たちは、ココナッツやインディアッパー(麺の一種)を売ったり、スリーウェイ(三輪バイクに似た乗り物)を修理するためのガレージを貸したりして、収入を得、返済している。
「10,000ルピー借りて、12,600ルピー返済するのはもったいないから、自分たちで【女性銀行※1】のような組織を作れるといいなぁ」
彼女たちの笑顔に、不安は感じられない。期待と希望に満ち溢れていた。
※1 女性銀行とは、上記の例のように、普通に資金を借りようとすると20%程の利子をとられてしまうことが多いので、NGO団体が立ち上げた、女性を対象とした組織。
例えば、毎週5ルピー(約5.5円)ずつ積み立てを行い、お金が必要なときに低利子(1%)で銀行から借りるという貸付制度をもつ。最初の限度額は500ルピー程度だが、長く続けていけば、借りられる額も多くなる仕組みである。この銀行はスリランカ中に約150の支店があり、津波被災後にはハバラドゥーワ地区のいくつかの村でも始まった。
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