コロンボ近郊にある、オベセイカラプラ。スラム地域に足を踏み入れた途端、何とも言い難い異臭。そして見渡せばいたるところに散乱するゴミの山。運河はドス黒く、とても生き物が生息しているようには見えない。そこには不法投棄されたゴミが浮かび、し尿も垂れ流す・・・。その運河で、子供たちはイカダに乗り遊ぶ。
悲惨な光景である。
彼らのほとんどは、定職に就けず、日雇労働をしながら、やっと一日を生活している状態。ある成人男性は、定職に就けない苛立ちから、飲酒・喫煙・麻薬に手を付け、刑務所に入ることも・・・。
スリランカでは、こうしたスラム地域がいたるところに存在する。中には、道路の片側には電気や水道が完備された、私たちが知るところの“普通の家”があり、その反対側は目を覆いたくなるようなスラム地域になっていたりする。
プレマシリ氏は住民に、訴えるように話しかける。「みんなの熱意があったから、大臣も地域調査のために動いてくれる約束をしてくれた。みんな、やればできるんだ!!他のスラム地域の人たちも同じことをしてきた。私も手を貸そう!!」と。
住民の多くは、農村地帯から、より高い収入を得るためにスラム地域に移り住み、またある者は紛争を逃れてきた人々である。彼らは自分で家を建て生活している。学校に行けない子供たちも多い。なぜ学校に行かないのか、プレマシリ氏に聞いてみる。
「子供たちは学校で学んだり、遊んだりすることは大好き。義務教育(中学生)までは、学費も要らないし・・・。けれど、制服を買うお金、文房具を買うお金がなく、行きたくても行けないんだ。だから、子供たちも大人の手伝いをしたり、仕事を見つけて働き、収入の援助をしているんだ。決して、望んでしていることではない。大人たちも子供を学校へ、そして少しでも設備が整った良い学校へ行かせたがっている。スリランカでは、良い学校に行くためには、【土地所有権】が必要なんだ」
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